むずむず脚症候群 症状理解されず悩む患者 診断まで平均3.8年
公開日時 2009/05/19 23:00
夜、脚の内側を虫がはいずり回るような不快な感じがあったり、脚を動かさず
にはいられない欲求にからたりするという「むずむず脚症候群」。まだ医師に
も十分知られていないが、日本には推定200~500万人の患者がいるという。こ
のほど患者会が実態調査を行ったところ、回答した患者の半数が、医師には原
因不明といわれ、家族など周囲にも苦しみを理解してもらえなかった経験をも
つことが、分かった。
調査は患者会の「むずむず脚症候群 友の会」が会員を対象に、129人から回
答を得た(回答率78.7%)。それによると、診断される前に感じた精神的負担
で最も多いのが「どうしても眠ることができない焦り、不安」が63.4%。次い
で「受診しても原因が分からなかった」(50.5%)、「家族など周囲に症状を
訴えても、苦しみを理解してもらえない」(48.4%)だった。
医師も十分に知られていない疾患であるため、59.0%が3軒以上の医療機関を
受診。26.8%が5軒以上受診していた。診断されるまでの期間は平均3.8年に
及び10年以上もいう患者も12.2%いた。症状が軽い場合は就寝前のマッサージ
やカフェイン入り飲料を避けるといった生活指導を行うが、多くはドーパミン
受容体作動薬など薬物治療も併用するという。日本にはこの適応を持った治療
薬がなく、承認審査中。なお、6月2日は「むずむず脚症候群の日」と制定さ
れた。