万有製薬 ニューロタン、ヒトでの尿酸低下作用の機序を証明
公開日時 2008/12/09 23:00
万有製薬は12月9日、降圧剤(ARB)ロサルタン(製品名:ニューロタン)によ
る尿酸化低下作用の機序が臨床研究で初めて証明されたと発表した。米国高血
圧学会誌「AMERICAN JOURNAL OF HYPERTENSION」の10月号に掲載された。同社
は他剤との差別化になる試験結果だとして医師に情報提供していく。
同社によると、これまでロサルタンはin vitro(試験管内)試験でヒトの腎尿
細管からの尿酸再吸収に関わる分子URAT1を阻害することは知られていた。今
回、in vivo(ヒト生体内)での作用機序を明らかにするため、URAT1の機能を
欠損した高血圧患者4例、URAT1正常患者8例のそれぞれにロサルタン50mgを
1日1回投与し、比較した。
その結果、投与前に比べURAT1正常患者群で血清尿酸値は有意に低下し、尿酸
排泄の程度示す指標(腎の尿酸クリアランス/クレアチニン・クリアランス)
も有意に増加していた。URAT1欠損患者ではこれら値に影響を与えなかったこ
とから、ロサルタンによる尿酸低下作用の標的分子はURAT1であることが明ら
かになった。