中医協 紹介状なし初診料の患者負担引き上げを骨子から削除
公開日時 2006/01/18 23:00
中医協は1月18日、06年度診療報酬改定に向けた骨子をまとめた。医療機関の
機能分化や連携を進めるため、骨子案段階で盛り込んでいた紹介状がない患者
が200床以上の病院を初めて受診した場合に患者負担を引き上げる案は、診療
側と支払側の意見が集約できず、削除された。厚生労働省は同日付で骨子をホ
ームページに掲載し、パブリックコメントを求める。
医療機関の機能分化を進める厚労省は、軽い病気の場合、開業医など地域の医
療機関を受診するよう勧めている。だが、患者には診療に対する安心感から軽
い病気でも大病院に集まりやすい傾向があり、医療機関の機能分化はうまくい
っていない。診療報酬改定に向けて厚労省は、紹介状がない患者が200床以上
の大病院を受診した場合に、患者の自己負担(特定療養費)を増やすことで、
経済的に患者を地域のかかりつけ医に誘導しようとしていた。
この日の中医協では「200床以上という基準に説得力がない」「病院の特性を
考慮しないのはどうか」などの意見が噴出。診療側、支払側委員の意見も個人
レベルでわかかれるなど意見集約できず、この項目ごと骨子から外して再検討
することになった。