中外製薬 肥満症治療薬ゼニカルの開発中止、導出を模索
公開日時 2005/04/04 23:00
中外製薬は4月4日、他の重点パイプラインに注力するため、リパーゼ阻害薬
R212(一般名:オルリスタット、予定販売名:ゼニカル)の国内での開発中止
を決定したと発表した。開発を継続するライセンス・パートナーを探す。中外
はフェーズ2を終えたが、承認取得には日本肥満学会の「肥満症薬物治療に関
するGL」に則り、追加で用量反応試験が必要になった。さらにフェーズ3も必
要。「開発のハードルの高さとパイプラインの優先順位を総合的に勘案した」
としている。
ゼニカルは親会社のロシュによって欧米ほか約140ヵ国で販売されており、04
年売上は5億9300万スイスフラン(約500億円)に達している。今後、中外は
ロシュと協働で導出先を探すとしているが、導入側にとっては、国内患者数
(単独で適切な食事制限を行った場合に体重減少を示さない、GLの基準に合致
する)などが判断材料になるだろう。