純便益と情報の価値
公開日時 2009/01/31 00:00
増分費用対効果比(ICER)は費用対効果評価のための重要な指標ですが、弱点もあります。近年、その弱点を克服する純便益(NB)という指標が急速に普及しています。また、NBを利用して追加調査により得られる情報の価値を定量評価することが可能です。今回は、NBと情報の価値についてご紹介します。ICERの弱点これまで説明してきたように、増分費用対効果比(incrementalcost-effectivenessratio,ICER)は、費用対効果を評価するための最も基本的な評価指標です。ICERは、効果1単位(例えば1QALY)を延長するために必要な追加費用を意味し、これがある限界値λ(例えば600万円)を超えなければ、評価対象薬を費用効果的と判断します。ICERが費用効果的と評価される条件は、下記の...