前回は、最近の医療費の問題点をおさらいし、医療費削減政策の中で新規医療技術の導入を訴えるためには、費用対効果の観点から価値に見合った価格であることを証明する必要性があることを示しました。そのためには、まず価値についてしっかり定義することが必要です。今回は、連載のテーマでもある医薬品の価値について考えてみたいと思います。政策研の定義業界側は、かねてより「価値に見合った価格」を主張してきましたが、そもそも医薬品の価値とは何なのでしょうか？製薬協のシンクタンクである医薬産業政策研究所（以下、政策研）では、さまざまなリサーチペーパーを発行していますが、その中に「医薬品の価値」というタイトルの研究成果が発表されています１）。政策研における定義では、「医薬品の価値」は、図１のようなピラミッド構造になって...