2010/11/22
抗血小板作用に個人差がある抗血小板薬・クロピドグレルの治療成績向上のために、臨床現場でいかに効き具合をモニタリングするか、全血凝集計VerifyNowを用い世界で初めて前向きに治療介入試験(RCT)を行ったのが、「GRAVITAS」です。制限はあるものの、大変意義のある臨床研究だと思います。この試験の“制限”の1つの挙げられるのが、PCI施行後12~24時間後に全血凝集能を測定し、低反応性(HRPR)と反応性(normal responder)を判定する基準値(230PRU がCut-off値の目安)の測定スクリーニングをしている点です。ステントそのものが異物として血小板凝集能を亢進している可能性があり、PCI施行前に血小板凝集能を測定するなど、純粋にクロピドグレルが十分な抗血小板効果を発現している時点で測定すべきだったのではないでしょうか。