オンライン面談トレーニングの動画コンテンツを無料公開 (2/2)
基礎的な学習からの気づきを促し、MRの新たな活動と価値を創る
公開日時 2022/09/27 11:00
ベーシックな内容にもかかわらず
同社MRの動画の満足度は94%
シミック・アッシュフィールドは全在籍MRに対し、2020年にオンライン面談トレーニング、また2022年には一般公開に先立ちオンライン面談動画コンテンツを用いた再トレーニングを実施し、それぞれの効果検証も行っている。前者では選抜された3プロジェクトに対するトレーニング実施前後のロールプレイを比較したところ、全体的なスコアの改善が見られ、同トレーニングによるスキル向上が認められた。
2022年の再トレーニング時はアンケートにより動画コンテンツの有用性などを調べている。トレーニング実施前のオンライン面談に対する自信について尋ねたところ、半数以上の54.3%が「自身をもってオンライン面談に臨めたと思う」と回答(
図1)。一見高い割合に思えるが、裏を返せば半分弱のMRがいまだオンライン面談に確たる自信を持てず、何らかの不安や悩みを抱えているということであろう。
加えて、オンライン面談の動画全体に対する満足度についても調査しており、大多数が2度目の受講であるにもかかわらず意外にも約94%が肯定的に受けとめ、75%で高い満足度を示した(
図2)。さらに動画学習で得られた気づきに関しては、オンライン面談に自信のない層(グループC)ほど「気づきがあった」との割合が高くなるのは分かるが、すでに内容的には物足りないのではと見られていた自信のある層(グループA)でも70%以上で何らかの気づきを得ていることが明らかになった。つまり、基本的な項目を網羅したトレーニング内容であっても有用である場合が多いということである。
オンライン面談によるMRの選別化
その存在意義を高める好機にも
このアンケート結果について湯原氏は、「自信がある人は自分を向上させたいという思いが強く、またちょっとした情報でも気づきとしてとらえる感受性を持っているのかもしれません。いずれにしても学ぶ人の意識や姿勢によって、この動画コンテンツから多くのことを引き出すことが可能だと思います」と指摘する。
一方、少し違ったアプローチが必要なのは、やや自信のある層(グループB)や自信のない層(グループC)でトレーニングに対する満足度が低く、気づきが少ないMR。そういうタイプほど「すでに知っている内容」とばっさり切り捨てたり、医師とMRの組み合わせの数だけオンライン面談は多様であるのにハウツー的な回答を求めたりする傾向にあるようだ。「オンライン面談でなかなか会話をうまく展開できない、どのように話をつないだらいいかといった種類の相談をよく受けます。ただ、それは答えがないものであり、動画コンテンツにはその実践につながるヒントやちょっとしたコツを入れています。そこをきちんと読み取っていただければと思います」と湯原氏は話す。
さらに言えば、自身との面談に価値を見いだしてもらえるMRになれるかどうかがより本質的な課題であろう。オンライン面談では医師もしっかり時間を割いての対応が求められることから、アポイントの付与はおのずと狭き門にならざるを得ない。半面、画面越しとはいえ正面から向き合ってコミュニケーションを図るなど、実面談以上に話を聞く体制となるため、うまく面談ができればリレーションの強化にもつながりやすい。見方を変えればMRの存在意義を高める好機にもなりうるわけだ。
同社人財開発部長の酒井宏治氏は、今後のMR活動について次のように展望する。「MRがセレクションされるような状況の中でこれからはMRの価値を高めていくようなトレーニングがより必要となります。このオンライン面談もその一つと位置付けていますが、例えばオンライン面談を切り口にして面談のあり方を問い直していく。MRとしての原点を踏まえて変革を進めていくべきであり、そこに早く立ち返れる企業が今後、抜きんでいくのではないでしょうか。当社としてはそういう活動を積極的に支援し、医師に必要とされるMRを数多く育成していきたいと考えています」
次の課題としては医師一人ひとりのニーズや思考を把握した上で、実面談とオンライン面談を組み合わせて使いこなす仕組みづくりに踏み込んでいく構想を描いている。
トレーニング動画はどなたでも登録不要・無料でご視聴いただけます。
【お問い合わせ】
シミック・アッシュフィールド株式会社
東京都港区芝浦1-1-1 浜松町ビルディング
https://www.cmic-ashfield.com/