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16年の国内医療用薬市場 C肝薬ハーボニーは売上2960億円 4製品が1000億円超  (2/2)

公開日時 2017/02/10 03:52
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■抗腫瘍薬の市場規模 初の9000億円突破 

薬効領域別での市場規模トップ10を見てみる。市場規模トップは引き続き抗腫瘍薬市場で、売上 は9582億円(16.8%増)となった。IMSによると、薬効領域別で9000億円突破はこれが初めて。アバスチン、オプジーボのほか、15年6月発売で 胃がん、結腸・直腸がん、非小細胞肺がんの適応を持つサイラムザで売上が4倍となったことも市場拡大の要因としている。

2位は全身性抗ウイルス剤市場で売上6080億円(22.3%増)だった。前年順位は4位。薬効内トップ製品のハーボニーの急拡大が市場成長の主因で、15年11月発売のヴィキラックスでも「大幅な売上増」(IMS)があった。

3 位は前年と同じく糖尿病治療薬市場で売上5232億円(2.0%増)。薬効内トップ製品は変わらずDPP-4阻害薬ジャヌビアだが、6%の減収。これに対 して同阻害薬のトラゼンタ、テネリア第一三共分、同阻害薬とメトホルミン製剤との配合剤エクメット、SGLT2阻害薬スーグラは伸長した。

■抗血栓症薬市場 売上トップ製品がイグザレルトに

4位はレニン-アンジオテンシン系作用薬市場で売上5063億円(10.8%減)で、3年連続のマイナス成長となった。前年順位は2位。薬効内トップのオルメテック第一三共分の2ケタ減収やジェネリックの拡大が要因。

5 位は抗血栓症薬市場で売上4387億円(6.6%減)。薬効内トップ製品が交代し、これまでのプラビックスに替わってイグザレルトがトップとなった。イグザレルトは前年比24.1%増、エリキュースは46.6%増、リクシアナは85.6%増――。なお、同市場の前年順位は同じく5位。

6位以下は、 6位が免疫抑制薬市場(3895億円、7.1%増、前年8位)、7位が脂質調整及び動脈硬化用薬(3808億円、5.4%減、前年6位)、8位が制酸剤、 鼓腸及び潰瘍治療薬(3763億円、3.4%減、前年7位)、9位が眼科用剤(3272億円、0.2%増、前年10位)、10位が喘息及びCOPD治療薬 (3262億円、1.7%減、前年9位)――。薬効領域別の市場規模トップ10で新たにランクインした薬効はなかった。

■企業別売上 武田トップは変わらず 2位に第一三共、1ランクアップ

企業別の売上ランキング上位20社を見てみる。医薬品卸に製品を販売し、その代金を回収する機能を持つ「販売会社」ベースでは、売上トップは引き続き武田薬品(6829億円、0.4%増)だが、2位は前年3位の第一三共(6327億円、2.6%増)、3位は前年2位のアステラス製薬(5982億円、7.1%減)と、2位と3位で順位が入れ替わった。4位と5位は前年と変わらず、4位は中外製薬(4729億円、1.2%増)、5位はファイザー(4529億円、 2.6%減)だった。

また、ハーボニーを販売するギリアド・サイエンシズは売上3937億円、前年比71.6%増と、6位にランクインした。前年順位は15 位。同社売上の75%をハーボニーが占める。オプジーボを販売する小野薬品は売上2542億円、前年比59.6%増と成長著しい。売上ランク は13位、前年は上位20社圏外。同社売上の4割強をオプジーボが占める。

上位20社による総売上は6兆7170億円で、前年比0.7%減となる。市場全体に占める上位20社の総売上の割合は63.2%、前年から0.6ポイント減となる。

なお、販促会社が2社以上の場合、製造販売を持っているなどオリジネーターにより近い企業に売上を計上する「販促会社」ベースでのランキングは、ファイザーのトップは変わらなかったが、2位以下は19社中16社で順位の変動があった。

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