TARDIS試験 抗血小板薬3剤併用の意義を検討 (1/2)
公開日時 2011/03/10 04:00
3500例の登録目指す
脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)の急性期患者は、再発リスクが高いことが知られており、再発抑制に向けた新たな治療戦略も求められている。このような中で、脳梗塞急性期患者における抗血小板薬3剤併用の有効性・安全性を検討する多施設前向きランダム化比較試験「TARDIS(Triple Antiplatelets for Reducing Dependency after Ischemic Stroke)」が2009年4月からスタートした。ここでは、同試験の概要を紹介する。
試験は、再発リスクが高い虚血性脳卒中患者を対象に、積極的な抗血小板療法の有効性と安全性を評価する目的に実施される。
対象は、発症から48時間以内の非心原性脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)患者で、①積極的な抗血小板療法(アスピリン+クロピドグレル+徐放性ジピリダモールの3剤併用)②ガイドラインで定められた抗血小板療法(次頁参照)――をそれぞれ1カ月間行い、投与開始から7日後と35日後に安全性、有効性、認容性を比較検討する。主要評価項目は、90日後のmodified Rankin Scale(mRS)による重症度とした。
試験は2つのフェーズからなる。最初のフェーズでは、英国のResearch Networkで行い、主に3剤併用の安全性、認容性、実行可能性を検討する。目標症例数は350例で、すでに39施設から312例が登録されている(2011年1月13日時点)。
この試験の結果を受けて実施される本試験では、3500例の症例登録を目指し、3剤併用療法の安全性、有効性を検討するという。