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ゲフィチニブ EGFR変異のある非小細胞肺がんのファーストラインで有効

公開日時 2009/09/28 15:00

日本人でEGFR変異のある非小細胞肺がん(NSCLC)患者へのファーストライン治療では、ゲフィチニブ投与群の方が、カルボプラチン/パクリタキセル投与群に比べてリスクベネフィットの面で優れているという結果が9月24日にドイツ・ベルリンで開かれた第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)・第15回欧州癌学会(ECCO)で発表された。東北大学病院呼吸器内科の井上彰氏がPresidential Sessionで報告したもの。同氏は、「EGFR変異をみる試験はNSCLCの治療を決めるうえで重要なステップになるし、世界的にも標準的治療になるべき」とコメントした。5月末に米国で開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)では中間解析の結果が報告されていたが、今回は最終解析結果の報告となる。(小沼紀子)


同試験は日本国内で実施された「NEJ002」試験。06年4月~08年12月までに登録されたた200人について、09年6月に最終解析が行われた。


試験ではステージ3b/4期の化学療法を受けていないEGFR変異のあるNSCLC患者を対象に、ゲフィチニブを1日あたり250mg投与する群(99例)とカルボプラチン(AUC6)/パクリタキセル投与群(200mg/m2)を3週間おきに投与する群(101例)に分けて、有効性を比較した。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目が全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、毒性プロファイル、QOL、PS3までの期間だった。

 

◎ゲフィチニブ投与群で無増悪生存期間で有意差を確認


試験結果によると、完全奏効(CR)はゲフィチニブ群4例に対し、カルボプラチン(AUC6)/パクリタキセル群は0例、部分奏効(PR)は前者69例に対し後者は29例。病勢安定(SD)は前者13例に対し、後者は50例。ORRは前者が74%に対し、後者は29%と差がみられた。また、PFSの中央値はゲフィチニブ群(98例)が10.4カ月に対し、カルボプラチン/パクリタキセル群(96例)では5.5カ月、ハザード比は0.357でゲフィチニブ群で有意に改善することが確認された。効果はゲフィチニブの変異の2つのタイプで差はみられなかった。


OS(全生存率)はゲフィチニブ群(98例)で28.0カ月、カルボプラチン/パクリタキセル群(100例)で23.6カ月、ハザード比が0.793で有意差は出なかったものの生存率の延長傾向がみられた。2年生存期間をみると前者61%に対し、後者が45%だった。

 

◎血液学的有害事象はゲフィチイブ投与群ではほとんどが軽度


血液学的有害事象はゲフィチニブ群(98例)ではグレード1、2の報告がほとんどで、グレード3以上のものは好虫球減少(グレード4)の1例のみ。対照的にカルボプラチン/パクリタキセル群(99例)はグレード3以上の報告が多く、中でも好虫球減少が65例(グレード4の32例を含む)、白血球減少28例(グレード4の1例を含む)、貧血6例、血小板減少症3例が確認された。


非血液学的な有害事象はゲフィチニブのグレード3以上で最も多かったのがAST/ALT上昇が24例(グレード4を1例含む)、食欲減退が6例、皮疹5例、肺炎3例(グレード4を1例含む)、爪変化2例。カルボプラチン/パクリタキセル群のグレード3以上で多かったのは、関節痛8例、食欲減退5例、神経障害5例など。グレード4は2例のみで、AST/ALTの上昇1例、便秘1例だった。 

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