エルゼビア TargetInsightsを発売 医薬品の標的探索の検証を効率化
公開日時 2012/03/27 04:00
エルゼビア・ジャパンはこのほど、医薬品の分子標的(ターゲット)特定と検証の探索プロセスにおいて、最新の生物学の知見を効率的に調べることを可能にするオンラインツール「TargetInsights(ターゲットインサイト)」を発売した。創薬の初期フェーズにかかわる研究者に向けた学術文献ツールで、5000以上の学術雑誌から文献をより早く、漏れを少なく検索できるデータベース。
創薬の初期段階で、誤ったターゲットを選択することは、無駄な費用と時間を費やすだけでなく、長期的には大きな損失をもたらす。そのため、ターゲットに関する情報を増加させることによるリスク低減は、創薬における最重要課題のひとつとされている。
TargetInsightsは、クリティカルな情報の見落としを避けるための工夫や、最近にアップデートされた文献のアクセスを可能にすることなどにより、そうした課題をクリアするよう作られた。
ユーザー(分子生物学者、前臨床薬理学者、探索化学者、バイオインフォマティクス研究者等)が必要とする情報の即時性に応えるため、論文は出版されてから10日でインデックスされてTargetInsightsに収録される。インデックスされた語句間の関連性を可視化するツールも提供している。
特長としては、生物学分野で重要な5000誌以上のバイオメディカル分野の学術誌をカバー(エルゼビアおよびその他の出版元の雑誌)しており、5000以上の学術雑誌から80万以上の文献を検索することができる。また、遺伝子・蛋白質、医薬・化合物等、9種類の強力な体系化・同義語の統合された用語集が含まれ、複数キーワード群の掛け合わせ検索と結果の一覧表示を可能にするMultiple Search機能がついている。
現在、ユーザーの間で汎用されている学術論文検索ツールPudMedが入力したキーワードが文献のアブストラクト、タイトル、キーワードに合致した場合にのみ結果として得られるのに対し、TargetInsightsは全文からの検索が可能で、他のどこでも見つけられなかったクリティカルな情報を見つけることができる。2011年に発表された論文に関しては、既存の文献検索ツールに比べて数倍のヒット率が得られ、より漏れの少ない検索ができるという。