マクニール 終焉なき回収か 消費者の信頼回復遠ざかる
公開日時 2011/04/07 04:00
一昨年来、主力OTC製品Tylenol、Motorinなどの自主回収を数度にわたって行っていたマクニール・コンシューマー・ヘルスケア(ジョンソン・エンド・ジョンソン子会社)がまた自主回収を行っている。同社が3月29日発表した。
回収中の製品は、消炎鎮痛剤Tylenol 8hour Extended Release Caplets (液剤)で、微量の一定の化学物質が混入、「かび臭い」異臭がするため、回収に踏み切ったという。人体への健康被害はないが、34056瓶を回収中だ。同製品は、すでに以前の回収問題で製造停止となり、2010年4月に閉鎖したペンシルバニア州のフォートワシントン工場で製造されたもの。
マクニールは、今年1月にもTylenol含め主力品9製品を工場での設備等の洗浄が不十分もしくは洗浄記録が不備などの理由から自主回収を行っている。3月11日には、食品医薬品局(FDA)とマクニールのフォートワシントン工場、プエルトリコ工場など4工場についてGMPを厳格に順守させるためにFDA監督下に入る同意判決(和解)の合意を交わしたばかり。
米メディアによると、相次ぐ回収で、ドラッグストアの棚には同社製品のパッケージが少なくなっているという。マクニールのまさに終焉なき回収ともいえるような実態は、同社が消費者の信頼を回復する道をまた一歩遠ざけたといえそうだ。