CHMP Regeneron Ireland DAC社の発性骨髄腫治療薬Lynozyficなど3品目承認
公開日時 2025/03/12 04:50
欧州医薬品庁(EMA)ヒト医薬品委員会(CHMP)が2月24~27日に開催され、Regeneron Ireland DAC社の多発性骨髄腫(MM)治療薬Lynozyfic(リンボセルタマブ)など新薬3品目について承認勧告を行った。EMAが2月28日発表した。今回、承認勧告を受けた製品は以下の3品目。(製品名、一般名、企業名、適応症、摘要の順)
*Deqsiga(ヒト免疫グロブリン)100mg/ml点滴用液。Takeda Manufacturing Austria AG社。原発性もしくは二次性免疫不全症患者および一定の自己免疫疾患患者における免疫修飾による免疫補充療法。同剤は感染性因子に対して広域スペクトラム抗体を有する免疫グロブリンG(IgG)を主成分とする。同剤は、2006年1月にEUで承認されたKlovigのシミラー製品で、効能効果は同一であるが、Klovigと比較して免疫グロブリンA(IgA)の含有レベルが低く、IgAレベルが高い免疫グロブリン製品に対して感受性が高いリスクのあるIgA欠損患者には安定性がある。
*Lynozyfic(リンボセルタマブ)5mgもしくは200mg点滴用濃縮粉末。Regeneron Ireland DAC社。少なくともプロテアーゼ阻害剤、免疫調整剤および抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3つ以上の前治療歴のある再発もしくは難治性多発性骨髄腫(MM)。同剤は、T細胞表面に発現する受容体CD3および悪性多発性骨髄腫細胞表面に発現するBCMAの双方を標的とする二重特異性モノクローナル抗体製剤である。
*Vyjuvek(ベレマゲン ゲペルパベク)5X 109プラーク形成単位/mlおよびゲル用ゲル。Krystal Biotech Netherlands, B/V社。コラーゲン7型α1鎖(COL7A1)遺伝子変異により起因する栄養障害性表皮水疱症患者における創傷の局所に対する遺伝子療法である。同療法は、単純疱疹ウイルス1をベースに遺伝子的に複製の欠損、かつCOL7A1遺伝子をエンコードする修飾を行っている。ゲルを創傷部位に塗布するとケラチン生成細胞と線維芽細胞双方を形質導入する。これら細胞の核内でCOL7A1が患者のゲノムの蓄積なしに転写される。同療法は先進医療製品(ATMP)で、CHMPの承認勧告は、先進医療委員会(CAT)の評価に基づいている。