ノバルティス 海外工場で製造中断した治療用放射性医薬品「ルタテラ静注」 国内での供給一部再開へ
公開日時 2022/06/03 04:51
ノバルティス ファーマは6月2日、海外の製造工場で一時製造を中断していた治療用放射性医薬品「ルタテラ静注」について、国内での供給を一部再開したと発表した。スイス・ノバルティス本社が5月5日付で、イタリアと米国の製造工場で潜在的な品質問題が生じたとして自主的に製造の中断を公表していた。日本国内では富士フィルム富山化学が同剤の製造販売承認を取得しており、今回の供給再開の情報提供活動は発売元のPDRファーマとノバルティス ファーマが連携して行う。
同剤をめぐっては、イタリア・イブレアと米国ニュージャージー州ミルバーンにある放射性リガンド治療薬の製造工場において、製造工程で潜在的な品質問題に対処する必要があるとして、今年5月に製造を一時中断した。これに伴い当該製品の出荷も一時停止すると判断。日本およびアジア向け製品は、スペインのサラゴサにあるノバルティスの放射性リガンド治療薬の製造工場から一部供給されていたものの、日本への供給も「遅れが出る」と同社は発表していた。
同剤は、富士フィルム富山化学が製造販売承認を取得しているが、今年3月28日付でPDRファーマに放射性医薬品関連事業を移管しており、医療関係者向けの情報提供活動はPDRファーマが行っている。また、将来的に同剤の製造販売承認をノバルティス ファーマが引き継ぐことにもなっていたため、今回の供給再開に際しては、ノバルティスも医療関係者向けの情報提供活動を行うことにしており、PDRファーマとも連携して対応することにしている。