MDVとDeSC 民間で国内最大1500万人超の保険者DB構築で協業 生活者の行動変容でエビデンス創出へ
公開日時 2022/05/12 04:49
メディカル・データ・ビジョン(MDV)の中村正樹取締役とDeSCヘルスケアの瀬川翔社長は5月11日、記者会見に臨み、民間で国内最大規模となる1500万人超の保険者データベース(DB)を構築すると発表した。MDVの診療DB分析用Webサービス「MDV analyzer」に保険者データを搭載し、生活者向け健康増進サービスで協業を目指す方針だ。製薬企業の営業・マーケティング支援、製造販売後調査(PMS)、臨床研究、論文作成への応用も想定している。
DeNAの子会社であるDeSCヘルスケアは、ヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」(ケンコム)のサービス提供を行っており、すでに健保や自治体など合計約100団体、480万人が利用している。一方でMDVは、医療機関から二次利用許諾を得た匿名加工データの集積を行っており、診療DBは病院データ3960万人(今年4月末の実患者数)と健康保険組合データ771万人(同)を有している。今回は、この2社が協業することで、1500万人超の保険者データが集積される。特に、DeNAが参画することで、MDVが持っていなかったこ国保加入の自営業者や75歳以上の高齢者のデータが揃うことになる。具体的なサービスとしては、MDVのPHRサービス「カルテコ」などのサービスと、DeSCヘルスケアの「kencom」をはじめとするサービスのアセット・ノウハウの連携を検討することにしている。
MDVの中村取締役は、保険者データ1500万人分の利活用として、同社の診療DB分析用Webサービス「MDV analyzer」に搭載させると強調。これらデータを活用したアドホック分析や研究用データセットの提供についても進めていく考えを明らかにした。
一方、DeSCヘルスケアの瀬川社長は、データの利活用の意義について、生活者の行動変容をサポートするエビデンスを創出するなどサービス還元できると指摘。さらに、「国民皆保険制度・高齢先進国の日本だからこそできる取組みにチャレンジしたい」と意気込んだ。