小野薬品 神経変性疾患領域の抗体医薬品の創製でニューリミューン社と提携
公開日時 2022/01/19 04:50
小野薬品は1月17日、スイスのバイオ医薬品企業・ニューリミューン社との間で、神経変性疾患領域における新たな創薬標的に対する抗体医薬品の創製を目的とした創薬提携契約を締結したと発表した。両社は2017年に同じ領域における創薬提携契約を結んでいるが、今回の提携は新たな創薬標的に対するヒトモノクローナル抗体の創製を目的としたものになる。小野薬品は創製される抗体医薬品を全世界で独占的に開発・商業化する権利を持つ。
ニューリミューン社は独自の抗体創出アプローチであるReverse Translational Medicine(RTM)技術を持つ。今回の提携でもRTM技術を活用する。
RTM技術はニューリミューン独自の高速スクリーニング法で、これは老化プロセスにおける健常高齢者など特定の集団が保有する病原性タンパク質に対する免疫応答機構を応用している。この技術により、ヒト白血球細胞より得られた遺伝子情報を活用し、選択的な高親和性の候補抗体を取得することができるという。
ニューリミューン社のヒトモノクローナル抗体は、人類が進化の過程で獲得した免疫機構に由来する抗体だとし、「ヒトの体内で最適化されていることから、ヒトでの卓越した有効性と安全性を提供できると考えられている」としている。
小野薬品は契約に基づき、ニューリミューン社に対し、契約一時金を支払うとともに、提携期間中の研究資金、研究開発の進捗に応じたマイルストン、上市後の売上高に応じたロイヤルティを支払う。