英医薬品庁 偽造薬で1600件以上のサイトを閉鎖 オンライン医薬品の危険性訴える
公開日時 2015/01/21 03:50
英医薬品庁(MHRA)は1月8日、ウエブサイト上で違法な医薬品の宣伝および販売を行ったとして、1600件以上のサイトの閉鎖を命じた。これらサイトでは、改造薬、偽造薬あるいは無認可薬の宣伝販売を行っていた。MHRAの取締官は、同時に、金額にして300万ポンド相当の偽造医薬品等を押収した。これらには、ED(勃起不全)治療薬、体重減量薬、睡眠剤、抗うつ剤などが含まれていた。多数の押収品は、中国製およびインド製だった。
MHRAは、2014年1年間で、YouTubeやAmazon、eBayなどのSNSやオークションサイトの協力を得て、違法なサイトの運営者を突き止めるなどし、違法な医薬品の宣伝を行っていた1万9000件以上のオンラインビデオをネット上から削除した。違法な医薬品のウエブサイト撲滅を目指すMHRAは、インターネットのドメイン登録機関やクレジットカード会社およびインターポール(国際刑事警察機構)などにも協力を要請している。
MHRAのAlastair Jeffrey法執行部長は、「我々がウエブサイトの閉鎖ならびに医薬品の押収措置は、我々が違法で危険な医薬品の蔓延を防ぎ、患者を保護することに全面的に関与していることを示すもの」と述べた。その上で、「これら医薬品の供給に関わる犯罪者は、あなた方(国民)の健康には関心がない。単に彼らはあなた方のお金がほしいだけだ」と国民に注意を喚起した。
さらに、「医薬品をオンラインで購入することは危険である。そのウエブサイトは、法を遵守していないかもしれないし、何をつかまされるか分からないし、(それが)身体にどう影響するか分からない。あなた方は、健康を賭けているのだ」と国民に適切な対応を求めた。「病気に対して治療を求めるなら、GP(開業医)を受診することが一番良い方法だ。我々は、合法的な街の薬局あるいは正規のインターネット薬局から処方せん薬を購入することを推奨する」と話した。