エーザイ 希望退職者を募集 初回は約100人 3回に分け実施
公開日時 2018/10/26 03:52
エーザイは10月25日、エーザイ単体に在籍する45歳以上かつ勤続5年以上の正社員を対象に希望退職者の募集を行うと発表した。募集は3回に分けて行う計画で、第1回となる2018年度は100人程度を募集する。19年度、20年度は初回の応募状況などを見て人数を検討するとしている。
同社の国内医療用薬事業はほぼ底を打っている。しかし、18年度の薬価制度抜本改革などを背景に市場環境はより厳しさを増している。同社では新たなビジネスモデルへの転換と戦略的パートナーシップへと従来とは異なる事業戦略を進めており、このような「社の変革期」を機に、社員に対し転身やセカンドライフの選択肢として、希望退職者を募集することにした。
第1回の募集は18年12月11日から21日まで(応募の状況によって変更する場合あり)で、18年4月1日現在で45歳以上かつ勤続5年以上の社員が対象。第2回、第3回も各年度同時期の募集を予定している。募集を3回に分けた理由について同社は「一度に多くの方に応募されると、ビジネス上の支障やマネジメントの承継に問題が生じるため」(PR部)と説明している。対象人数、3回で想定する募集人数は開示していない。
退職日は、第1回は19年3月31日、第2回は20年3月31日、第3回は21年3月31日。退職者には通常の退職金に割増退職金の加算を行う。同制度を利用して退職する社員に対して、本人の要望に応じて再就職支援を行う。
このタイミングで希望退職者の募集を行うことについて同社は、「医薬品業界の環境が変わり、以前から新たなビジネスモデルへ向け自己革新を求めてきている。次世代、次々世代のマネジメントなど人材基盤の構築も進めてきた。この流れの中で今回、社員に対し転身やセカンドライフの選択肢を示した」(同)としている。また、希望退職実施に伴う同社における世代間の社員構成の観点から、「近年は40人程度だった新卒採用を今後は100人程度まで増やしたい」(同)としている。採用増の時期は明らかにしていない。
同社は14年1月に、日本で希望退職者を人数を定めずに募集し、396人が応募した。募集対象としたエーザイ単体社員の9.6%に相当した。それ以来の希望退職者募集となる。なお、現在の単体社員数は3172人。