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アレクシオン ソリリスの問題資材 本誌報道後に使用禁止 疾患サイトから削除も

公開日時 2018/10/01 03:52

本誌が26日付で報じたaHUS治療薬・ソリリスの不適切なプロモーション資材について、アレクシオンファーマ合同会社は報道後にMRへの使用を禁止していたことが明らかになった。問題の資材は、「その症例はTTPですか?それともaHUSですか?」(HUS016-1805、2018年5月作成)、「第51回日本臨床腎移植学会スポンサードシンポジウム4」(HUS020-1807、18年7月作成)の2種類。MRからの資材発注ができなくなったほか、アレクシオンファーマが運営する疾患サイト上に掲載していた日本臨床腎移植学会スポンサードシンポの記録集(PDF)が削除されていた。アレクシオンファーマ広報部は26日付報道時の本誌取材に対し、「現在は論文単独だけでの資材はなく、日本の診療ガイドと併記したものしか活用していない」と説明していたが、これに反する事実も浮かび上がってきた。

本誌取材によると、問題の資材は9月26日時点では、同社の資材発注サイトからMRが発注し、顧客に配付することが可能な状態だったが、翌27日には発注ができなくなっていたという。一方、アレクシオンが運営する疾患啓発サイト「非典型溶結性尿毒症症候群(aHUS)疾患情報サイト」上では「第51回日本臨床腎移植学会スポンサードシンポジウム4」(HUS020-1807、18年7月作成)が28日朝まで閲覧可能だったが、同日中に削除されていた(写真)。

aHUSをめぐっては、2015年に日本腎臓学会と日本小児科学会が「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド」を策定。「エクリズマブによる治療が対象となるのは、本邦の2013年の診断基準での補体制御異常によるaHUS,本診療ガイドでのaHUS(補体関連HUS)であり、二次性TMAに対する使用は現時点では推奨されない」と明記されている。これに対して問題の資材は、「二次性TMA」もソリリスの適応と医師に誤認させるような資材を情報提供に活用させていた(本誌既報、記事はこちら)。

◎aHUSの概念 主張に矛盾


アレクシオンファーマは本誌取材に対し、提供していた論文などは、「2015年の診療ガイド以降のものであり、最新の情報提供を行っている」としており、二次性TMAを含む広義のaHUSの概念は適応外には該当しないとの見解を示している。今回問題視したアレクシオンファーマの資材には、二次性TMAをaHUSと医師に誤認させる「鑑別診断の流れ」を図示しながらも、その下段に「上記資材にあるaHUSの定義は本邦と異なるため、国内の非典型溶結性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015等を参照してください」と付記しており、主張に矛盾が生じている。

◎180%目標設定は「潜在患者がまだいる可能性がある」 社員に通知

アレクシオンファーマは本誌報道のあった26日に、社員に向けて、「我々は、ルールとかガイドラインに基づいてディテール活動を行っており、それについては自信をもって日々の活動を続けてください」と通知した。さらに、aHUSが希少疾患であるにもかかわらず、「180%目標」を立て患者の掘り起こし(発掘)を進めたことについては、「疫学的な罹患率から潜在患者がまだいる可能性があることから、この目標になった」と説明。MRへのインセンティブ(報奨金)については、「社内のルールに則って設定され運営されている」との見解を示している。このほか、全例調査にもかかわらず、「死亡例については、「現在、確認中」と説明していた。

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