NPhA 会員薬局のガバナンス強化に舵 薬機法改正の議論踏まえ
公開日時 2018/08/10 03:50
日本保険薬局協会(NPhA)は8月9日の記者会見で、会員薬局のガバナンス強化に取り組む方針を示した。厚生労働省が2019年の通常国会への提出を目指す改正医薬品医療機器等法(薬機法)の議論では、保険薬局のガバナンス強化が議論の俎上にあがっている。特にチェーン薬局に対する厳しい目が向けられるなかで、NPhAとして、会員薬局に自律をうながすよう、独自に取り組む。最終的には宣言として取りまとめたい考え。杉本年光常務理事(わかば)は、「薬機法の改正がすべてではないが、会として企業としてやっていかないといけないことをやっていくということが根底にある」と強調した。
薬機法改正の議論では、薬局開設者と管理者の責務などを明確化することで、ガバナンスを強化し、不正を未然に防ぐ抑止力とする考えが示されている。7月25日の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会では、乾英夫委員(日本薬剤師会副会長)も、「一部の組織の問題として片づけるのではなく薬局全体の問題として早急な措置が必要ではないか」と述べ、改正薬機法のなかで保険薬局のガバナンス強化を位置づけることを求めていた。
◎液体ミルク国内販売解禁で認知度向上に寄与
また同日の会見では、8月8日に乳児用の液体ミルクの国内販売が解禁されたことを受け、メーカーと協力しながら、各薬局で情報提供する方針も示した。液体ミルクは、災害時の活用などに期待が寄せられているが、国内では粉ミルクの普及が進んでおり、認知度が低いのが現状だ。同協会では色などから、安全性に不安を覚える可能性があることから、薬局での販売時に、薬剤師が安全性などの情報を提供することで、認知度向上に寄与したい考えを示した。