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武田薬品 米ポータル社と針を使わない医療用デバイスで開発提携 エンティビオで実用化へ

公開日時 2017/11/14 03:50

武田薬品はこのほど、米ポータルインストルメント社の「針を使わない医療用デバイス」の開発・商業化に関する提携契約を締結したと発表した。同デバイスは、100マイクロメートルとの体毛並みの太さの穴から加圧液体を使用して生物学的製剤を投与するもので、標準的な注射と比べて痛みが少ないという。最初の開発プログラムとして、潰瘍性大腸炎やクローン病に用いるモノクローナル抗体製剤エンティビオ(一般名:ベドリズマブ)での応用を目指す。

ポータル社は契約に基づき、契約一時金を受け取るとともに、取り決められた開発、承認、売上に応じて最大1億ドルのマイルストンとロイヤリティを受領する権利を持つ。

エンティビオは17年8月現在、世界60か国以上で承認されており、いずれも静脈内注射で投与されている。日本は潰瘍性大腸炎の適応で8月に承認申請した。そして、エンティビオの皮下投与製剤が日米欧でフェーズ3段階にあり、今回の針を使わない医療用デバイスは、皮下投与時の新たなデバイスとして開発する。

武田薬品グローバルプログラム&ブランドリードのStefan Koenig氏は、「生物学的製剤の静脈内注射が必要な慢性疾患を抱える患者さんには負担軽減につながる選択肢が必要」とし、「本提携により、針を使わない医療用デバイスを用いることで薬剤をより簡便かつ安全に自己投与できる可能性を追求していく」とコメントしている。

一般的な皮下注射で用いる注射針の太さは0.4mm(27ゲージ)で、これは400マイクロメートルとなる。針を使わない医療用デバイスの穴の大きさは100マイクロメートル。既存注射針の4分の1ほどの極小の穴から、スイッチひとつで製剤を投与するイメージとなる。

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