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消化器科疾患治療薬市場 25年に6300億円超に 胃食道逆流症治療薬を中心に拡大

公開日時 2017/10/25 03:51

富士経済はこのほど、消化器科疾患治療薬市場が2018年以降、堅調に成長し、25年に6336億円になるとの市場予測をまとめた。患者が増加している胃食道逆流症等治療薬や、新薬や生物学的製剤が相次ぎ登場している炎症性腸疾患治療薬の成長が、消化器科疾患治療薬市場全体の成長要因と分析している。

文末の「関連ファイル」に、消化器科疾患治療薬市場と、同治療薬の中の胃食道逆流症等治療薬、炎症性腸疾患治療薬の各市場の25年までの市場規模予測をまとめた資料を掲載しました(10月25日のみ無料公開、その後はプレミア会員限定コンテンツになります)。

調査方法は同社専門調査員による参入企業や関連企業などへのヒアリングや文献調査などをもとにまとめたもの。調査期間は17年7月~9月。

11年頃まで消化器科疾患治療薬市場全体(以下、市場全体)の40%を占めていた消化性潰瘍等治療薬は後発医薬品の浸透で大きく縮小する一方、11年9月に登場したネキシウムなどによって胃食道逆流症等治療薬は右肩上がりに推移している。そして、14年に登場した経口C型肝炎治療薬によって市場全体が成長軌道に入り、特に15年に登場したハーボニーとソバルディによって市場全体が急拡大した。

同社の調べでは、市場全体は13年まで6100億~6200億円だったが、14年6459億円、15年8706億円、16年9133億円――と推移。17年(見込み)は、C型肝炎の待機患者の治療が一巡したとして、市場全体は5639億円に、16年比で4割近く縮小すると予測した。その後は胃食道逆流症等治療薬を中心に市場全体が堅調に成長し、25年には14年実績とほぼ同規模になるとしている。

■胃食道逆流症等治療薬市場 25年に1840億円 16年比で30%増

16年に消化性潰瘍等治療薬市場を抜いて最大市場となった胃食道逆流症等治療薬市場をみてみる。胃食道逆流症等治療薬市場は市場拡大を続けており、12年に1000億円、17年(見込み)に1500億円を突破し、25年は1840億円まで拡大するとしている。

同社は、製薬各社による疾患啓発活動で治療患者数が増えていることを要因に挙げており、さらに、「(ネキシウムなどの)PPIおよびP-CAB(=タケキャブ)では投与期限の8週間の段階で治癒する患者の割合が上昇している。患者数の増加とともに治療薬で治癒するという認識が高まることにより、更なる市場拡大が予想される」とも分析している。

■炎症性腸疾患治療薬市場 20年に1000億円突破、25年に1400億円台に

炎症性腸疾患治療薬市場は16年に857億円、前年比で3%程度、市場が縮小した。背景には、16年4月の薬価改定に加え、15年1月に難病指定疾患の助成制度の改定が行われて患者の薬剤費負担が高まり、後発品への移行が進んだことが考えられるとしている。

17年、18年とも1%前後の市場成長にとどまるが、19年以降は「大幅な伸びが予想される」とし、20年に1000億円を突破、25年には1400億円台にのると予測している。

理由として、16年11月に登場した潰瘍性大腸炎治療薬リアルダやクローン病治療薬ゼンタコートが既存の5-ASA製剤などからの切り替えが予測されるとしたほか、17年3月には薬価の高い生物学的製剤のステラーラがクローン病、同じく生物学的製剤のシンポニーが潰瘍性大腸炎の適応を取得したため、炎症性腸疾患治療薬市場の拡大につながるとしている。

さらに、エンティビオやAJM300(開発コード)といった後期開発品を引き合いに、「期待度の高いパイプラインの発売が控えている」と指摘し、これら開発品も市場の成長要因に挙げている。

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