久光製薬・18年2月期第2四半期 国内医療用薬4.3%減収
公開日時 2017/10/11 03:51
久光製薬は10月10日、2018年2月期(17年度)第2四半期(3月~8月)決算を発表し、国内の医療用医薬品事業の売上は368億400万円で、前年同期比4.3%の減収だった。15年12月に発売した1日1回の鎮痛消炎剤モーラスパップXRが好調だったものの、後発品の市場浸透のほか、16年4月の薬価改定に伴う買い控えの反動で前期に一時的な売上増があったことも、今期の減収要因となった。
モーラスパップXRの17年度第2四半期の売上は27億1100万円で、前年同期より19億円強伸びた。既存パップ剤の1日2回に対して、同XRは1日1回であるほか、既存パップ剤にはない▽腰痛症の鎮痛・消炎▽関節リウマチにおける関節局所の鎮痛――の効能・効果が加わっている。医療機関や患者に新たな治療選択肢を提供したわけだが、同社として、既存パップ剤から同XRへの切り替えを戦略的に進めた結果でもある。なお、モーラスパップ群としての売上は42億500万円で、前年同期より約5億円の増収だった。
最主力品のモーラステープ群の国内売上は248億8700万円で、前年同期比8.9%減、金額では約24億円の減収となった。
連結業績は売上734億6300万円(前年同期比1.3%減)、営業利益126億2900万円(同1.9%減)――。医療用医薬品が国内外で減収、一般用医薬品は国内外で増収との構図だった。同社は16年度に医療用医薬品売上と一般用医薬品売上が7対3の割合だったが、21年度には約50%ずつになるとしている。
■アレルギー性鼻炎用貼付剤「HP-3060」、17年度の承認見込む
最新の開発パイプラインリストから日本市場の状況を確認すると、17年度の承認取得を見込むのは、アレルギー性鼻炎に用いる貼付剤HP-3060。18年度の承認取得を見込むのは、17年8月31日付で申請した経皮吸収型持続性疼痛治療薬フェントステープに0.5mgの新用量を追加すること。また、18年度に承認申請を計画している開発品には、現在フェーズ3段階にあるパーキンソン病に用いる貼付剤HP-3000がある。
【連結実績(前年同期比) 17年度通期予想】
売上高 734億6300万円( 1.3%減) 1470億円(0.7%増)
営業利益126億2900万円(1.9%減) 241億円(8.4%減)
純利益 93億8600万円( 1.1%増) 185億円(9.3%減)
【主要製品売上(前年同期実績) 17年度予想(前年度実績) 、億円】
モーラステープ群 249.47(273.88) 499.00(527.31)
モーラスパップ群 42.05( 36.28) 99.00( 76.83)
フェントステープ 23.51( 23.02) 49.00( 53.15)
ノルスパンテープ 10.59( 11.53) 24.00( 22.17)
ネオキシテープ 4.27( 7.52) 12.00( 12.34)
アブストラル舌下錠 1.15( 0.94) 2.00( 2.04)