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ファイザー・梅田社長「安全性・有効性の提供だけでは期待される役割担いきれない」 企業の武器はスピード

公開日時 2017/08/22 03:52

ファイザーの梅田一郎代表取締役社長は8月20日に都内で開かれた一般社団法人日本医療コンコーダンス研究会主催のシンポジウムで講演し、医療が変化する中で、「企業としても医薬品の有効性・安全性の情報提供だけでは期待される役割を担いきれないのではないかと強く思う」と述べた。同社は、今年に入り、東京都立川市、稲城市と2市と地域包括ケアシステムに関する連携について協定を結んだ。梅田社長は、自治体と協働した経験から、製薬企業のスピードが強みになるとの考えも示した。


梅田社長は、高齢社会に伴う疾病構造の変化や医療・介護構造の変化、ステークホルダーの多様化などで、「製薬企業を取り巻く環境が本当に最近は大きく変わってきていると感じている」と述べた。特に市場そのものが変化をしてきていることに危機感を示し、「変化について我々しっかり勉強していかないと事業としてもうまくいかない」と強調した。


“地域=地方”ではなく、大都会の都市部もひとつの地域であるとの考えを表明し、「むしろ在宅医療をめぐる問題は大きな町などで起こっている。東京でも非常に問題は大きい」と述べた。将来の医療像として同社も、在宅医療の変化を見据えるが、「いま活動を始めてみて直ちに売り上げにプラスになるわけではない」とした上で、製薬企業としてスピード感などで貢献できるとの考えを示した。梅田社長は、「スピードというのは常に競争環境に置かれている企業の特技というか習性であろう」と述べ、こうした観点から企業として貢献できるとの考えを示した。また、企業で浸透している、PDCAサイクルについても、「自治体や医療の中では必ずしもそうではない。我々にできることがあるのではないか」と述べ、ノウハウを地域に共有する考えを示した。こうした取り組みを通じ、医療のサステナビリティ―維持に貢献することが、高齢化に伴って薬剤費圧縮の圧力も高まる中で重要との考えを示した。


◎支店長や所長がまず地域を学べ!

MRの在り方については、診察に追われる日本の医師により良い選択をしてもらうためにも、インターネットが浸透しても「MRの大事な役割は今後も残っていくだろうと思っている」との考えを示した。その上で、「今まで通りで良いとは思っていない、変わらないといけない。自分の薬だけでなく、地域の中でどういう課題を抱えているかを知らないと話にならない」と述べ、地域を理解することの必要性を強調した。ただ、転勤族の多い若手MRが地域に興味を持つことの難しさに理解も示し、「支店長や所長などのラインの人が重要さを自ら語っていかないと、地域医療に貢献しようといっても響かない」と指摘し、支店長や所長がまず地域について学ぶことでMR自身の行動変容もうながせるとの考えを示した。
 

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