中医協総会 データヘルスの活用推進と診療報酬体系の在り方で検討に着手

公開日時 2017/07/13 03:50
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中医協総会は7月12日の総会で、厚労省がデータヘルス改革推進計画を進める中で、レセプトデータなどのビッグデータの活用と、それに見合う診療報酬体系の在り方について議論を開始した。地域包括ケアシステム構築を目指す中で、2020年度には情報基盤となる健康・医療・介護を一体化した医療ICTを本格的に始動させる。プラットフォームのいわば中核である“レセプトデータ”を利活用することも視野に、レセプト様式の見直しを行う。医療機関にとっては、診療報酬の項目が多様化・複雑化する中で請求の簡素化、負担軽減が期待できる。一方で、保険者にとっては、データの分析を通じ、医療を標準化することや、重症化予防への活用などが期待できる。この日の中医協でも、診療側、支払側各側からは賛成の声があがった。厚労省は、今秋までにたたき台を提示し、2018年度改定から着手し、段階的に施策を打つ考え。

レセプトデータなど診療報酬に関連するビッグデータは、審査支払のほか、保険者が糖尿病の重症化予防に活用するなど、データヘルス事業の推進に力を入れている。また、DPC病院の診療実績データでは、各データをベンチマークすることで、医療の標準化、医療の質向上につながるとされている。医療保険財政が厳しい中で、効果的・効率的な医療提供と医療の質向上を実現する上で、ビッグデータの分析、活用は切り札と言える。

一方で、医療機関側の負担の観点からは、算定に際し、既存データを求められる様式に改めて記載する必要があることや、レセプト様式の見直しがなされてこなかったことから、概要欄などにテキストで記載する必要があるケースや、別途資料の添付が必要なケースがあり、効率的な事務処理の妨げになっているとの指摘もあがっていた。


厚労省はこの日の中医協に、レセプトデータの利活用を推進する上でのレセプト様式の課題として、①患者の住所情報がなく、特に被用者保険において住所情報を基にした分析ができない、②診療行為の記載コードが実臨床に則したコード体系になっていない、傷病名や診療行為の選択ルールが必ずしも統一されていない――などの課題があるとした。また、DPC病院の診療実績データでは、データ形式が様々で情報を関連付けて分析することが難しいことや、急性期入院医療以外の医療内容の分析が難しいなどの課題があるとした。


◎厚労省・迫井課長 レセプト様式「ゼロベースで見直し」


厚労省保険局医療課の迫井正深医療課長は、これまでの見直しは「事務的に対応できる範囲だった」と説明。「記載する考え方、記載する順番などを含めてゼロベースで見直すことは少なくともこれまでやったことはない。中長期的な視点で見ると、必ず次の改定でできることではないが、レセプトの在り方やその情報の利活用などについて、制約なしに考えていきたい」と述べた。


◎支払側・幸野委員「レセプトは宝の山」 医療の質向上、標準化を見るものに変化



支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は、「十分理解できるし推進すべき取り組みだ」と述べた。幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「レセプトの役割は診療報酬の請求書よりも医療の質向上、標準化を見るものに変わりつつある。保険者にとっては宝の山だ」と強調した。一方で、現行のレセプトは、1か月の医療行為が1枚に集約されている。複数の傷病名があり、複数の医療行為が行われた場合に、医療行為ごとに分解することが難しく、分析がしづらいと指摘。調剤レセプトとの突合を含めて、データの高度化を求めた。幸野委員は、「どの疾病に対し、どれくらいの医療費がかかっているかというのも標準化」することを視野に入れる必要性も指摘した。

診療側からも、猪口雄二委員(全日本病院協会会長)が「診療報酬の説明がどんどん分厚くなっていく中で、オンライン請求については大賛成だ」と述べるなど、事務の簡素化への期待が示された。安部好弘委員(日本薬剤師会常務理事)は、「合理化については賛成。医療機関に正しく請求できるようなチェック機能を充実させることがオンライン化で重要なのではないか。そういう点については推進していただきたい」と述べた。

また、診療側、支払側各側が、大幅な見直しを行うことから、医療機関や審査支払機関・保険者システムの改修に大幅な影響があると指摘。2018年度改定で実施する施策を明確にすることや、医療の提供を途切れさせないためにも段階的な実施を求める声もあがった。

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