NBI・16年業績 売上2586億円、前年比1%増 14年連続成長
公開日時 2017/04/18 03:50
ベーリンガーインゲルハイムジャパンは4月17日、2016年業績を発表し、医療用医薬品事業を展開する日本ベーリンガーインゲルハイム(NBI)の売上は薬価ベースで2586億円、前年比1.0%増だったと発表した。売上は過去最高で、14年連続成長となる。2型糖尿病に用いるDPP-4阻害薬トラゼンタやSGLT2阻害薬ジャディアンス、15年8月に発売した特発性肺線維症(IPF)治療薬オフェブなどの新薬群が、企業の成長をけん引した。
製品別の16年売上(薬価ベース)をみると、トラゼンタが売上385億円で前年比10.4%増。ジャディアンスは売上41億円で前年から約9倍に拡大した。ジャディアンスは心および腎イベント減少のエビデンスを持つ初めての血糖降下薬で、着実な浸透がみられる。
オフェブは売上90億円で前年から約10倍になった。発売当時、日本ではIPFにおける7年ぶりの新薬として登場し、初の分子標的薬。発売1年でIPF治療薬市場でシェア1位になったという。
このほか16年に成長した製品は、EGFR遺伝子変異陽性の転移非小細胞肺がん治療薬ジオトリフが売上87億円(前年比19.2%増)、15年12月に新発売したCOPD治療用配合薬スピオルトが売上9億円と約15倍になった。
一方、減収だった製品をみると、最主力品の降圧剤ミカルディスは単剤、配合剤の合算で売上1084億円(4.0%減)。経口抗凝固薬プラザキサは売上285億円(8.0%減)だった。プラザキサは16年4月の薬価改定で新薬創出加算が適用されて改定率は0%。16年11月には特異的中和剤プリズバインドを発売し、「プラザキサは中和剤のある唯一のDOACとして治療上の安心感がさらに高まっている」としているが、競合激化により減収となった。