入社式社長あいさつ 変化に立ち向かえ 不確実な世界情勢踏まえた内容目立つ
公開日時 2017/04/04 03:52
製薬各社の入社式が4月3日に行われ、新入社員に対する大手・準大手の経営トップのあいさつでは、不確実さと変化のスピードが増す世界情勢を踏まえ、変化に立ち向かう姿勢を求める内容が目立った。
武田薬品のクリストフ・ウェバー社長CEOは、「多くの変化が待ち受けていると思います。変化をおそれ受け身にならずに、自ら変化の扉をノックし、そこから成長するような人になってください」とのメッセージを送った。アステラス製薬の畑中好彦社長は、「変化をおそれたり、傍観を決め込むことなく楽しみ、変わり続けるためには何をすべきか常に考え、そして、自分自身を信じて無限の可能性を追求して欲しい」と対応を求めた。大塚ホールディングスの樋口達夫社長兼CEOは、「各自が未知の事態に対し一層の対応が求められている。各自が事象の背景を理解し、自らの行動を通じて問題の本質を見極め解決しよう」と呼びかけた。
この中で必要な行動を説いたのは田辺三菱製薬と大日本住友製薬。田辺三菱製薬の三津家正之社長は、「変化が急速で不確実な外部環境においては、既存の知(知識・知恵・経験)を掘り下げるだけではだめで、別の知(同)とり組み合わせが必要。まずは社内のいろいろな部署と、次いで社外、異業種との新しいネットワークを作り、新たなアイデアを提案してください」と期待を寄せた。大日本住友製薬の多田正世社長は、変化に対し「好奇心・探究心」を持つことを求め、挑戦する姿勢、失敗しても立ち上る姿勢が必要だとした。
働き方への言及も
働き方に言及する企業もあった。第一三共の眞鍋淳社長は、「若い頃に先輩に言われた言葉を大切にしてきた」として「部下は上司に提案するために存在している。一方、それを聞けない上司はその任にない」と、上司と部下の関係像を披露。協和発酵キリンの花井陳雄社長は、「最高のチームになろう。どんな優秀な人間も、ひとりはあまりにも非力で、間違うこともある。力をあわせた人間というものが、どれほど素晴らしい成果を残せるか。それを世界に示したい」との言葉を贈り、チームで成果を生み出す重要性を説いた。
エーザイの内藤晴夫CEOは、ビジネスのプロになる助言として「事前に準備をすること、心配することをお勧めする。これらのサイクルを繰り返す」ことを挙げた。
塩野義製薬の手代木功社長は、「自らの人生設計を長い目で見た上で、生きがいや、やりがいについてじっくりと考えて判断すること」という言葉を送った。
小野薬品の相良暁社長は、「法令順守はもとより高い倫理観をもつこと、たゆまぬ挑戦をつづけること、常に患者さんにとってどうかという判断基準をもつこと」を心にとめて取り組むことを求めた。
中外製薬の永山治CEOは、トップ製薬企業を目指そうと呼びかけ「トップとは売上収益等の数字面だけではなく、すべての機能においてグローバルレベルでトップを目指すということである。その基本にあるのは『コンプライアンス』と『ガバナンス』であり、皆さんと一緒に社会やステークホルダーから尊敬される真の『トップ製薬企業』を目指したい」と話した。