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気管支喘息薬キプレス/シングレア 後発品比率60%に AG・GE登場5か月で

公開日時 2017/04/06 03:52

調剤レセプトベースで実際の処方状況を把握・分析する医療情報総合研究所(通称JMIRI)によると、気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療薬モンテルカスト(一般名、先発品名:キプレス/シングレア)の後発品比率が2017年1月末時点で60%であることがわかった。16年9月にオーソライズド・ジェネリック(AG)が、同年12月に27社から通常のジェネリック(GE)が参入しており、この後発品比率は後発品初参入から5か月時点の実績となる。

JMIRIによると、ピーク時に国内売上が1000億円を突破した超大型品で、キプレス/シングレアと同様に最初にAGが登場してその後にGEが参入した降圧剤カンデサルタン(一般名、先発品名:ブロプレス)の場合、後発品発売5か月後の後発品比率は50%だった。このことからもキプレス/シングレアの後発品の立ち上がりの速さがわかる。

なお、キプレス/シングレアの後発品比率の算出にあたっては、その分母に、特許の関係で後発品が参入していない小児剤形(細粒、チュアブル錠)を含めていない。分母に小児剤形を含めて計算すると、後発品比率は43%になる。

■後発品比率80%に高い壁 アムロジピン、アトルバスタチン、カンデサルタンも超えられず

後発品比率を20年度末までの早い時期に80%以上にするとの政府目標の達成は簡単ではなさそうだ。超大型品の直近の後発品比率を見てみると、降圧剤アムロジピン(同ノルバスク/アムロジン)が79%、高脂血症治療薬アトルバスタチン(同リピトール)が77%、カンデサルタンが72%、アルツハイマー型認知症治療薬ドネペジル(同アリセプト)が64%――となっている。

JMIRIのデータは保険薬局市場におけるデータであり、後発品比率の高いDPC病院など病院市場をカバーしていないことに留意が必要だが、JMIRIはこれらの結果を受けて、「患者への後発品に関する啓発や医師へのインセンティブがないと後発品比率80%を超えるのは難しいのではないか」と分析している。もう一段の政策誘導が必要といえそうだ。

詳細はMonthlyミクス4月号(4月1日発売)の連載「医師の処方動向をよむ」に掲載しています。ミクスOnlineでは有料会員向けに、こちらで公開中。

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