シスメックス、アステラス、第一三共 血液検査によるがん病態予測で共同研究 解析法構築へ
公開日時 2016/12/16 03:51
シスメックス、アステラス製薬、第一三共の3社は12月15日、血液検査でがんの病態予測を可能にする新たな解析法を構築するため、共同研究することで基本合意したと発表した。
3社は、がん組織から遊離して血液中にごく微量に存在するがん細胞で、他の臓器への転移を引き起こす可能性のある「血中循環がん細胞」(以下、CTC)の解析法の構築を目指す。CTCの数やその性質などを多面的に解析できることで、がん患者の病態予測や治療のための有用な情報が得られると期待されている。世界中でさまざまなCTC解析法の研究が進んでいるという。
がん治療では現在、患者に最適な治療法を提供するため、生体検査(腫瘍など組織の一部を採取して行う検査)が行われている。CTC解析が実用化されると、生検に比べて低侵襲の血液検査となるため、患者負担の軽減につながる。
アステラスと第一三共はそれぞれ、CTCに着目した研究をしていた。そして、より精度の高いCTC解析法がないか共同で探索し、シスメックスの技術にたどり着いたという。シスメックスでは、血液や体液中に存在する疾患由来の細胞、遺伝子、タンパク質などの微量成分を分析する技術「リキッドバイオプシー」の確立に取り組んでいる。