抗HIV薬デシコビ配合錠が薬価収載へ
公開日時 2016/12/15 03:50
厚労省の中医協・総会は12月14日、日本たばこ産業(JT)が9日に承認取得した抗HIV薬デシコビ配合錠LT、同HT(一般名:エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)を薬価収載することを決めた。同省は21日に収載予定。14日処方制限は受けない。薬価収載後はJTグループの鳥居薬品が販売する。
収載される製品の概要は以下のとおり。
▽デシコビ配合錠LT、同HT(一般名:エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)
薬効分類:625 抗ウイルス剤(内用薬)
効能・効果:「HIV‐1感染症」
薬価:
LT 1錠 2748.20円
HT 1錠 3934.30円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数1.3万人、販売金額183億円
市場性加算1(A=10%):加算理由「希少疾病用医薬品として指定されており、比較薬であるツルバダ配合錠は市場性加算1の適用を受けていないことから、加算の要件に該当する。ただし、同じ効能・効果の医薬品が既に多数あることなどから、限定的な評価とした」。
デシコビ配合錠は、既存抗HIV薬ツルバダの配合成分のうちHIVの増殖に関与する逆転写酵素を阻害する作用を持つテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)を、テノホビル アラフェナミド(TAF)に置き換えたもの。JTの発表によると、TAFは、創製したギリアド・サイエンシズ社が行った他の抗HIV薬と併用した臨床試験において、TDFの10分の1 以下の投与量でTDFと同程度の抗ウイルス効果を示した。
デシコビ配合錠のエムトリシタビンとTAFの配合量は、LTが200mg、10mg、HTが200mg、25mg――。リトナビルまたはコビシスタットと併用する場合はLTを、リトナビルまたはコビシスタットと併用しない場合はHTを用いる。いずれも1日1回1錠経口投与する。
抗HIV薬について厚労省は、治療の緊急性のため、承認申請から承認まで概ね4カ月で処理し、承認後はすぐに薬価収載する扱いをしている。