日本調剤 国内初の調剤薬局「水野薬局」買収へ
公開日時 2016/09/21 03:52
日本調剤は9月20日、国内で最初の調剤薬局として知られる東京の「水野薬局」を経営する合同会社水野(東京都文京区、代表:水野善郎氏)を買収すると発表した。水野薬局は、医薬分業において先駆的な役割を果たしてきた薬局。日調は、その水野薬局が培ったブランド力と共に、ICTを活用した店舗運営、医療安全のノウハウを調剤薬局事業に活かすとしている。
これは両社が20日に最終合意したもの。日調が水野の持分の全てを10月1日付で取得し、子会社化する予定。取得価額は非開示。
水野薬局は1909年、水野善重氏が当時の東京帝国大学医学部前に開局した。64年には、のちに東京薬科大学理事長を務める水野睦郎氏が日本で最初の調剤薬局「水野調剤薬局」を開いた。89年に「水野薬局」に名称を戻した。水野は現在、東京都文京区の大学病院前で2店舗を経営する。2015年11月期の売上高は27億8800万円、営業利益は5700万円。
水野代表 「後継者育てられず、自責の念」
水野の水野善郎代表社員は同日、コメントを発表した。
「お客様志向の薬局をめざして、試行錯誤を恐れず、朝令暮改をモットーにアジャイルな薬局業務を追求してまいりました。しかしながら、昨今の薬歴未記載問題に対しての業界団体等の対応等に疑問を覚え、社会的にもコンプライアンス責任を持つ公開企業の日調に、【水野薬局】ブランドをお任せすることにしました。大規模オペレーションの一部になることは、真摯で優秀な弊社従業員のキャリアパスを充実させることにもなります。他業界とくらべ、薬局業界はまだまだ寡占化も進んでおらず、これからが戦国時代です。その時代を勝ちぬく後継者を育てられなかったこと、この点には自責の念にかられております。お客様におきましては、これまでと変わらず水野薬局をよろしくお願い申し上げます。」(全文)