中外製薬は２月22日、東京都のがん対策事業の一環として実施されている2015年度の「がん患者の治療と仕事の両立への優良な取組みを行う企業表彰」で優良賞を受賞したと発表した。適切な治療を受けながら生き生きと就労を続けられる環境を整備している企業を表彰するもので、東京都は14年度からこの表彰を始めている。

中外は15年５月１日付で社員の労働条件の一部を改定し、がん治療を受ける社員への就労支援をより充実させた。例えば、近年のがん治療は長期入院の必要がなく、通院治療が増加しているため、療養休暇取得の期間条件を、「14日以上にわたり療養を必要とする場合」から、「７日以上にわたり療養を必要とする場合」に短縮。また、一定期間にわたり計画的な治療（化学療法、ホルモン治療、放射線治療など）を行う場合は、７日未満であっても１日単位で療養休暇を取得できるようにした。これらの労働条件の改定を機に、「がんに関する就労支援ハンドブック」を作成し、社員への周知も行った。

同社の上野幹夫・代表取締役副会長は、今回の受賞にあたり、「がん治療と仕事との両立に関しては社会的にも大きな課題となっている」とした上で、「社内で積極的に取り組みを行うだけでなく、広く社外へ情報発信していくことも、ヘルスケア関連企業としての当社の社会的責務であると捉えている。今後も従業員がより安心して働くことができるよう環境整備に力を入れていきたい」とコメントしている。