22年市場予測 COPD治療薬と骨粗鬆症治療薬 13年比でそれぞれ4割増 富士経済調べ
公開日時 2014/11/13 03:52
富士経済はこのほど、COPD治療薬市場と骨粗鬆症治療薬市場が2022年に、13年に比べてそれぞれ40%以上拡大するとの市場分析結果をまとめた。COPD治療薬市場は疾患の認知向上などにより、22年の市場規模は663億円、13年比で45.4%増と予測。骨粗鬆症治療薬市場は高齢化の進展に伴う患者数の増加や継続的な新製剤の投入によって市場は拡大し、22年の市場規模は3204億円、13年比で47.0%増と分析している。
同社によると、COPD治療薬の13年の市場規模は456億円。14年は486億円になると予測し、前年比6.6%増となる。厚労省による「21世紀における第二次国民健康づくり運動」でCOPDの認知度が向上し、参入各社が積極的に啓蒙活動に取り組むことで潜在患者の掘り起しが進むと分析している。
抗コリン薬(LAMA)や吸入ステロイド(ICS)を含む配合薬が当面は市場をけん引するものの、LAMAではスピリーバに代わってシーブリや、LAMAを含む配合薬のウルティブロ、アノーロが市場をけん引することになると予測した。富士経済の公表資料では触れていないが、スピリーバは16年にも特許切れを迎えるとみられるため、これがLAMA内の勢力図が変わる要因とみられる。
ICSを含む配合薬では、アドエア、シムビコートを中心に「拡大が期待される」としたが、「19年からは主力製剤の特許切れにより減少する」と分析した。同社は特許切れする製品名を明かしていないが、ミクス13年4月号に掲載した特許切れ時期見込みの一覧表ではアドエアは15年に、シムビコートは18年に特許切れするとしている。
■骨粗鬆症治療薬 PTH製剤が市場拡大に最も貢献
骨粗鬆症治療薬の13年の市場規模は2179億円だった。14年は2411億円になると予測し、前年比10.6%増となる。骨粗鬆症治療の中心となっているビスフォスフォネート製剤(BIS)は月1回製剤の伸びなどで拡大しているものの、フォルテオやテリボンといった副甲状腺ホルモン(PTH)製剤が「最も市場拡大に貢献している」としている。13年のPTH製剤市場は560億円だったという。
今後もPTH製剤や抗RANKL抗体製剤などが市場をけん引するほか、「数年後にはカテプシンK阻害薬や抗スクレロスチン抗体といった新規機序の製剤が投入される」ため、市場は拡大するとした。ただ、これらの新製剤やPTH製剤の伸びが一段落する20年以降は「拡大の鈍化が予想される」としている。
文末の関連ファイルで、COPD治療薬と骨粗鬆症治療薬の市場推移の図がダウンロードできます(無料)。