SGLT2阻害薬スーグラ 発売後14日間の処方シェア ジャヌビアと同じ JMIRI実処方分析
公開日時 2014/05/19 03:51
レセプトベースで実際の処方状況を把握・分析する医療情報総合研究所(通称JMIRI)によると、新規機序の経口血糖降下薬であるSGLT2阻害薬スーグラ(一般名:イプラグリフロジン)の上市後14日間の立ち上がりがDPP-4阻害薬ジャヌビア(シタグリプチン)とほぼ同じ動きをみせていることがわかった。何らかの経口血糖降下薬を含む処方せん枚数を母数に、スーグラなど対象薬の処方せん枚数のシェアを計算したところ、両剤とも0.3%だった。ジャヌビアは現在、経口血糖降下薬市場で金額、数量ともにトップシェアであり、スーグラへの関心の高さが垣間見える結果になっている。
分析期間はスーグラが4月17日(発売日)~30日、ジャヌビアが09年12月11日(発売日)~24日。何らかの経口血糖降下薬を含む処方せん枚数はいずれも約2.5万枚で、調査対象薬の処方せん枚数の割合を速報値として算出した。
◎スーグラ 使用患者の5割強が60歳未満
スーグラでは60歳未満への処方が5割強を占めているたこともわかった。ちなみに経口血糖降下薬全体では60歳未満への処方が2割程度、残りが60歳以上となっており、経口血糖降下薬の中でのスーグラの使用患者の違いが見て取れる。スーグラなどSGLT2阻害薬はその機序や臨床試験結果から脱水リスクなどがある。このためスーグラを販売・情報活動しているアステラス製薬やMSDは現在、非推奨患者のひとつに高齢者を位置付けており、この情報活動が浸透しているとみることもできる。
スーグラの使用患者の性別は男性6割、女性4割だが、この割合は経口血糖降下薬全体の場合と変わらない。また、今回は速報値のため、スーグラが単剤で使用されているのか、何らかの経口血糖降下薬と併用されているのかなど詳細まで分析できていないという。なお、JMIRIによると、ジャヌビアと同じ成分で同時期に発売したグラクティブでも、発売後の立ち上がりはほぼ同じ動きがみられたとしている。