武田薬品 分子標的薬モテサニブ 日本含むアジア共同P3開始 非小細胞肺がんで
公開日時 2012/07/27 04:01
武田薬品は7月26日、開発中の分子標的治療薬モテサニブ(開発コード:AMG706)について、日本、香港、韓国、台湾でアジア共同フェーズ3試験を開始したと発表した。対象疾患は、進行非扁平上皮非小細胞肺がん。同剤は、血管内皮増殖因子受容体1・2・3、血小板由来増殖因子受容体、および幹細胞因子受容体に対する経口投与の低分子阻害薬。
今回のフェーズ3試験は、進行非小細胞肺がんにおける非扁平上皮がん患者1090例を対象に日米欧が参加し、グローバルに実施されたフェーズ3試験(MONET1試験)において、アジア人を対象としたサブグループ解析で良好な結果が得られたことを受けたもの。この結果は、今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会で発表されている。
それによると、主要評価項目である全生存期間については、対照群と比較して統計学的に有意な改善は認められなかったが、アジア人を対象としたサブ解析データでは、アジア人では全生存期間、無増悪生存期間、全奏効率ともに実薬群が優れるという結果を示した。主要評価項目である全生存期間(中央値)に関しては、アジア人ではモテサニブ投与群が20.9カ月、対照群が14.5カ月だったのに対し、非アジア人ではモテサニブ投与群が10.9カ月、対照群が10.7カ月だった。
アジア共同治験は、モテサニブとパクリタキセルおよびカルボプラチンとの併用による無作為化、二重盲検、プラセボ対照の試験で、約400例の患者の参加を得て実施される。主要評価項目には無増悪生存期間、副次評価項目には全生存期間、客観的奏効率、奏効期間、有害事象および臨床検査値異常の発現率、モテサニブおよび代謝物の薬物動態が設定されている。