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希少難病・CAPS薬イラリスの薬価収載了承 25日収載へ 患者側は高額な薬剤費に懸念

公開日時 2011/11/21 04:01

国内患者数約30人とされる希少難病CAPSの治療薬であるイラリス(成分名:カナヌマブ、会社名:ノバルティスファーマ)の薬価収載が、11月18日に中医協・総会で了承され、25日にも収載されることになった。CAPS(クリオピリン関連周期性症候群)には、これまで治療薬がなかった。ノバルティスは12月上旬に発売する予定だ。

CAPSは、主に遺伝子の異常により、炎症に関与するサイトカインIL-1βが過剰に産生されることで、生後直後から高熱、無菌性髄膜炎など全身の炎症が繰り返される自己炎症性疾患。症状に伴い関節の変形、さらには視力・聴力の障害、臓器障害なども引き起こされる。

同剤の薬価収載については、16日の中医協で取り上げられたが、臨床評価基準や薬剤の効果などについて厚労省側の説明が不十分だとして、了承が見送られていた。18日の総会での説明を受け了承されたことで、16日に了承の新薬8成分とともに25日に収載される見通しだ。

薬価など了承内容は次のとおり。
薬価150mg1瓶143万5880円。
市場予測(ピーク時3年後):投与患者数30人、販売金額4.8億円
加算の適用とその理由:原価計算方式(加算率30%)「有効な治療法がない現状において、一定の有用性を有することが認められた」


前回、同剤の薬効評価などの説明を求める意見は支払側、診療側の両委員から上がったが、その背景には、薬価が非常に高額であり、公的な保険財源で償還する以上は、疾患はどのような病態であり、治療薬の効果はどのようなものなのかを国民に対し十分な説明責任を果たす必要があるとの考えがある。18日に両側の委員は了解したが、今後はあらかじめ薬価に関連する資料に加え、疾患概念や臨床評価、効果なども含めて資料を提出するよう、同省に対応を求めた。

薬価収載が決まり、今後は公的医療保険の下で使われることになる。患者・家族にとっては待ちに待った承認薬ではあるが、予想されたとはいえ高額な薬価を目の当たりにし、今後の患者一部負担の重さに不安を募らせている。
標準用量で薬剤費は年間約860万円。その3割負担ではあるが、高額療養費制度が適用されれば、一般世帯で年間60万円以上の負担になるとはいえ、現時点は一生涯の服用が必要であり、そのための負担が続く。CAPS患者・家族の会は、引き続き難病指定による医療費助成の適用を厚労省に求めていく。


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