脂質異常症に対する薬剤経済分析
公開日時 2009/07/31 00:00
クレコンリサーチアンドコンサルティング株式会社医療アセスメント研究部小林慎生活習慣の欧米化などにより、わが国の疾病構造は大きく変化しつつあり、中でも動脈硬化性疾患の重要性が高まっています。今回は動脈硬化性疾患の重大な危険因子である脂質異常症に対する薬剤経済分析を考えます。わが国の脂質異常症の現状わが国の死因別死亡率の変化を見ると、脳血管疾患が昭和40年代半ばをピークに減少し続けているのに対して、心疾患は年々増加しており、昭和60年には脳血管疾患を抜き、死因の第2位となっています(図1)。その後も心疾患の死亡率は上昇を続け、平成20年には心疾患が全死亡者に占める割合は15.9%となっています。脳血管疾患死亡の減少には、減塩等による食習慣の改善や高血圧治療の普及が貢献していると考えられ、心疾患死...