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武田薬品 後期開発段階のがん治療薬2品目等の権利取得 中国Innovent社から 契約一時金12億米ドル

公開日時 2025/10/23 04:51
武田薬品は10月22日、中国Innovent Biologics社の後期開発段階にある次世代のがん治療薬2品目と初期開発段階の1品目について、中国など一部地域を除く全世界における開発、製造、商業化に関するライセンス契約および提携契約を締結したと発表した。開発後期の品目は、PD-1/IL-2α-bias二重特異性抗体融合タンパク質の「IBI363」と、Claudin 18.2タンパクを標的とする次世代抗体薬物複合体(ADC)の「IBI343」――となる。武田薬品グローバルオンコロジービジネスユニットのテレサ・ビテッティ プレジデントは、「これら2つのプログラムには、当社のオンコロジー領域のポートフォリオに変革をもたらし、2030年以降の当社の成長を大きく高める可能性がある」としている。

Innovent社は、本取引の完了時に、武田薬品による1億米ドルの株式投資を含め、契約一時金12億米ドルを受領する予定。契約一時金は武田薬品の手元資金で充当する。Innovent社は、マイルストン及びロイヤルティを受領する可能性があるとともに、米国で武田薬品が商業化を主導し、Innovent社が共同商業化権を有するIBI363に関して、利益または損失を武田薬品60%、Innovent社40%の割合で分配を受ける可能性がある。

また、武田薬品が初期開発段階のがん治療薬「IBI3001」に対するオプション権を行使した場合、Innovent社はオプション行使料を受領し、追加のマイルストン及びロイヤルティを受領する可能性がある。

将来的なオプション行使を含む本取引の完了には、規制当局の承認など一般的な取引完了条件を満たす必要がある。

◎IBI363 「ファーストインクラスとなる可能性をもった複雑な生物学的製剤」 NSCLCなどで開発

武田薬品は今回、Innovent社との間で、IBI363とIBI343について中国・香港・マカオ・台湾以外の全世界における開発、製造、商業化に関するライセンス及び提携契約を締結した。

IBI363は、PD-1/IL-2α-bias型の二重特異性抗体融合タンパク質で、「ファースト・イン・クラスとなる可能性をもった複雑な生物学的製剤」。これまでに非小細胞肺がん(NSCLC)、結腸・直腸がんで評価されており、他の種類の固形腫瘍にも有効性が期待されるとしている。

IBI363については武田薬品とInnovent社がグローバルで共同開発し、開発費用は武田薬品60%、Innovent社40%の割合で分担する。米国では共同で商業化し、利益または損失も武田薬品60%、Innovent社40%の割合で分配する。

武田薬品は米国での共同商業化を主導し、米国・中国・香港・マカオ・台湾以外でIBI363を独占的に商業化する権利を持つ。武田薬品はIBI363の中国・香港・マカオ・台湾以外での製造権を保有し、米国での商業供給はInnovent社と共同独占権を持つ。

◎IBI343 胃がんや膵臓がんの1次治療領域への展開を計画

IBI343は、胃がんや膵臓がん細胞に高頻度で発現するClaudin 18.2タンパクを標的とする次世代ADCで、Claudin 18.2に対する抗体と細胞毒性薬剤であるトポイソメラーゼI阻害剤・エキサテカンを組み合わせたもの。胃がんや膵臓がんの臨床第1相及び第2相試験で、忍容性のある安全性と有望な有効性の兆候を示しているという。

武田薬品は、IBI343開発を推進し、胃がんおよび膵臓がんの1次治療領域への展開を計画している。契約条件に基づき武田薬品は、中国・香港・マカオ・台湾以外でIBI343を開発、製造、商業化することになる。

初期開発段階のIBI3001は、EGFRおよびB7H3の両方を標的とするように設計された二重特異性ADC。これまでに局所進行または転移性固形腫瘍患者を対象に評価されている。契約の一環として、Innovent社はライセンスオプションの行使前は同剤の臨床開発を単独で担当するが、武田薬品がオプションを行使した場合、武田薬品が中国・香港・マカオ・台湾以外で開発、製造、商業化することになる。
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