MR認定センターは7月25日、「2024年版ＭＲ白書」を公開した。24年3月31日時点のＭＲ総数は4万6719人で、前年比で約3000人減少した。ＭＲ数は2013年度の6万5752人をピークに毎年減少し続けており、単年度の減少数としては過去2番目となる。医療機関を訪問するＭＲのうち薬剤師の有資格者は8.9％、薬剤師資格を有するオンライン専任ＭＲ（電話含む）は11.8％だった。「新卒者」でＭＲ認定試験の合格者を採用した企業が8社（採用者数21人）あった。このほかＭＲ認定証の携行・ＭＲバッジ着用が100％との回答は18.6％だった。

調査はＭＲ認定センターに登録する199社（内資135社、外資50社、CSO13社、卸売販売会社１社）を対象に行ったもの。調査期間は、24年4月1日～4月30日まで。23年3月末のMR総数は４万6719人で、うち医療機関を訪問して活動するMRは98.9％、オンライン専任MR（電話含む）は1.1％、管理職は14.7％だった。なお、MR認定証の取得率は昨年なみの98.6％だった。

◎MR数ピークだった13年度の6万5752人から1万9000人減

MR総数を年次別にみると、ピークだった2013年度の6万5752人に比べて1万9000人減った。MR認定センターは減少理由に触れてはいないが、「情報提供チャネルの多様化が（医療者から）歓迎される一方で、現場の事情を汲み取り、対話することで的確な情報提供をして欲しいとのニーズが垣間見える」と分析。ＭＲ数の減少が、「医療関係者からの期待に応えられるのか、安全性情報の収集の観点からも今後の動向が注目される」との見解を示している。

◎薬剤師資格を有するＭＲ数は4158人で、2013年度以降で最も少ない

薬剤師資格を有するＭＲ数は4158人（8.9％）で、2013年度以降で最も少なかった。年次別にみても16年度の6446人をピークに減少傾向が続いている。MR認定センターは、「薬物治療の高度化、専門化、個別化が進む中で、薬学知識をベースに持つ人材の確保も重要ではないか」として、今後の推移を引き続き注視する姿勢を示した。一方で、こうした動きは新卒採用にも影響を与えている。近年は、新卒ＭＲの採用数も絞りがちだ。今回の調査結果でも、新卒者の採用については、「採用した企業」は全体の35.7％（71社）で前年とほぼ同水準。「採用しなかった企業」は64.3％（128社）となっていた。

一方で、ＭＲ認定試験合格者を新卒採用した企業数は倍増の8社。新卒採用した合格者数は前年実績の4人に対し、21名にまで増加した。MR認定センターはこの結果について、「今後さらに入社前にＭＲ認定試験合格者が増加することが見込まれる。人事採用部門と情報共有を行い、応募者の積極的な姿勢を評価する態勢を構築して欲しい。また、2026年度の受験資格撤廃が将来にわたりどのような影響を及ぼすのか、今後注目したい」とコメントしている。

◎コントラクトＭＲは23年度4353人　前年水準をキープ

コントラクトＭＲは23年度4353人となり、前年の4409人の水準をキープした。コントラクトMRを契約している企業は全体の41.6％（77社）で、派遣型75社（3619人）、請負型が6社（92人）で、企業数、契約内容とも大きな変化は見られなかった。

◎MR認定証の携行、MRバッジの着用　「50％以上できている」が56.3％

このほかＭＲ認定要綱で求めているMR認定証の携行、MRバッジの着用の割合についても調べた。その結果、「50％以上できている」との回答が56.3％あったのに対し、「わからない」との回答が38.7％あった。理由の多くが「確認・集計をしていない」（104社中58社が回答）というもので、同センターとしては、教育研修部門としてＭＲ認定要綱の遵守に関心を持ってもらいたいと呼び掛けた。