科研製薬 23年3月期に15億円の減損損失を計上 水疱性類天疱瘡治療薬候補の開発中止で
公開日時 2023/04/13 04:51
科研製薬は4月12日、水疱性類天疱瘡治療薬候補の開発中止に伴い、2023年3月期に関連する15億円を減損損失として計上すると発表した。業績への影響は「精査中」としており、5月の決算で発表するとしている。
開発を中止するのは、同社が2021年12月に買収し、連結子会社となったARTham Therapeutics社のPDE4阻害薬「ART-648」。水疱性類天疱瘡を対象に、臨床第2相試験を実施、主要評価項目である新規病変の形成休止が認められず、被験者の組み入れが予定通りに進んでいないことから、試験の途中終了を決定。開発プログラムの中止も決定した。
同社はあわせて、ARTham社の開発を進める「ART-001」について、臨床第2相試験の成功についてのマイルストン達成を確認したことも発表した。ART-001は、低流速型脈管奇形(静脈奇形、リンパ管奇形(リンパ管腫)、クリッペル・トレノネー症候群)を有する患者を対象に有効性・安全性を検証した臨床第2相試験で、主要評価項目を達成していた。