ヤクルト本社 新規抗がん剤デュベリシブの申請取り下げ PMDAとの協議で「承認の取得は困難と判断」
公開日時 2022/09/29 04:50
ヤクルト本社は9月28日、新規の抗がん剤デュベリシブ水和物(一般名、開発コード:YHI-1702)の承認申請の取下げ願いを厚労省に提出したと発表した。今年3月に再発・難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)と小リンパ球性リンパ腫(SLL)を対象疾患に承認申請したが、「申請後に実施された医薬品医療機器総合機構との協議を踏まえ、本申請の内容では製造販売承認の取得は困難と判断した」としている。
同剤は日本でCLL、SLLのほか、末梢性T細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、成人T細胞白血病・リンパ腫を対象に臨床試験が行われている。同社は今後の開発方針について、本誌取材に、「(導入元の)セキュラバイオ社と協議して、今後の開発方針を決める」とコメントした。海外では9月12日時点で、米国、欧州を含む39カ国で承認されている。
同剤は経口ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)-デルタ/PI3K-ガンマ二重阻害薬。PI3K-デルタ/ガンマは、悪性のB細胞およびT細胞の増殖と生存を支援することが知られている。同剤はこれら2つの酵素を阻害することにより、悪性B細胞およびT細胞の増殖を抑制するとされる。
ヤクルト本社は米国セキュラバイオ社から同剤の国内における全てのがん適応症に係る開発・商業化に関する独占的ライセンスを獲得している。