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がん・感染症関係4学会 デキサメタゾン内服薬の供給不足で合同声明 ステロイド薬は「中等症Ⅱ以上」

公開日時 2021/09/10 04:51
日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本感染症学会、日本呼吸器学会は9月9日、デキサメタゾン内服薬の供給不足下における関係学会からの合同声明文を発表した。声明は、①新型コロナウイルス感染症患者、②がん患者の薬物療法-に関するもの。新型コロナウイルス感染症患者の薬物療法については、デキサメタゾンの適正使用として、「酸素投与が必要な新型コロナウイルス感染症(中等症Ⅱ以上)にステロイド薬を用いる」と喚起した。

◎新型コロナ 酸素投与が必要な「軽症や中等症Ⅰ」ステロイド薬は使用しない

合同声明のうち、新型コロナ関係では、供給不足下でのデキサメタゾンの適正使用についての見解を示した。酸素投与が必要な新型コロナ感染症のうち「中等症Ⅱ以上」についてはステロイド薬を用いるものの、酸素投与が必要な「軽症や中等症Ⅰ」については、ステロイド薬は使用しないとした。

ただし、「医療需要が逼迫し、すぐに入院治療や対面の診療などでステロイドの処方が難しい場合などであって、酸素飽和度の低下などが遷延的にみられる際には、耐糖能等を考慮の上、医師の判断で 2 日分程度のステロイド剤の事前処方を行うことは許容される」としている。また、経過中に中等症Ⅱ以上に悪化しとして医師の判断でステロイド薬の内服を指示した場合は、「可及的早くに往診するなどして内服薬での治療の継続の可否を判断する」よう求めた。

なお、デキサメタゾン6mg内服薬の代替案として、①デキサメタゾン6mg静注、②プレドニゾロン40mg内服、③メチルプレドニゾロン32mg内服-をあげた。

◎がん患者 減量可能・代替療法ある場合は「経口ステロイド製剤の使用量低減」


デキサメタゾン内服薬の供給不足下におけるがん患者の薬物療法に関する声明では、制吐目的で使用されるデキサメタゾン製剤の適正使用、デキサメタゾン内服薬の代替使用について、制吐薬適正使用ガイドラインなど関連ガイドラインに従い、個々の症例の催吐リスクに応じて適切な制吐療法の提供を継続するよう求めた。

また、ステロイド製剤を減量できる、あるいは代替療法がある場合は、経口ステロイド製剤の使用量を可能な範囲で低減する。具体例として、「高度催吐性リスクの抗がん薬を使用する場合に、第2日目、第3日目の経口デキサメタゾンを省略する」などを例示している。

このほか前サイクルのがん薬物療法で、CINVが認められなかった場合、経口デキサメタゾンの減量や省略を検討する。患者が経口デキサメタゾンを保有している場合については、新たな処方を行わず、持参の経口デキサメタゾンの有効活用に協力して欲しいと要請した。

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