ベルシステム24は4月6日、臨床試験プロセスのデジタル化による業務効率化を目的にオラクルの「Clinical One RTSM」を導入したと発表した。同社のCROサービスの拡充を目的としており、オラクル・コーポレーションが提供するクラウドサービスを採用した。従来の紙ベース中心の業務をデジタル化することで、試験デザインの早期構築や柔軟な設定変更、タイムリーな治験薬の配送が可能となる。これにより臨床試験の大幅な期間短縮が図られる。夏を目途にサービス提供を開始する。

「Clinical One RTSM」はシステムユーザー自身でコントロールが可能で、臨床試験における試験デザインの構築期間を数週間に短縮できる「統合型 RTSMソリューション」。臨床試験の治験薬割付や配送はこれまで、紙、メール、FAXベースの業務プロセスが中心で、施設在庫の可視化が難しく、被験者登録に応じたタイムリーな治験薬納入や、治験薬の期限管理に限界が生じていた。また、従来のRTSMシステムを利用した場合でも、専門ベンダーやプログラマーによる構築が必要で、極めて長い期間を要していた。

今回導入する「Clinical One RTSM」は、試験のテンプレートやランダム化のアルゴリズムが既に実装されており、パラメータの設定のみで、数日から数週間で試験デザインが構築できる。シンプルな画面デザインと直感的なユーザーインターフェースにより、試験実施中の試験デザイン変更もリアルタイムで行うことができ、臨床試験の大幅な期間短縮が可能になるという。

同社は、製薬企業向けCRO サービスに「Clinical One RTSM」を組み込むことで、臨床試験のプロセスをデジタル化し、試験デザインの早期構築や柔軟な設定変更、タイムリーな治験薬の配送をオンラインで実施する方針だ。今夏を目途に製薬企業向けにサービス提供を開始する。