菅内閣発足 最優先課題は新型コロナ対策 オンライン診療は恒久化 厚労相に田村憲久氏を起用
公開日時 2020/09/17 04:50
衆参両院は9月16日の本会議で、第99代内閣総理大臣に菅義偉自民党総裁を指名した。菅新首相は認証式後に官邸で記者会見に臨み、これまでの安倍政権の路線を継承する考えを表明した。また最優先課題として新型コロナウイルス感染症対策に注力する考えを強調。来年前半までに全国民に新型コロナワクチンが行き渡るよう準備を進める考えを改めて表明した。
このほかデジタル活用にも注力するとし、新型コロナ対策として時限的・特例的に緩和したオンライン診療については、当初の方針通り恒久化を目指す考えを示した。また省庁間に跨るデジタル規制の見直しに強い意欲を示し、デジタル庁を軸に、マイナンバーカードのさらなる普及などに取り組む考えを示した。デジタル活用では、健診、診療、介護など各データの統合も視野に入っており、データヘルス計画への活用などが本格化する可能性が高い。
◎厚労相に田村憲久氏 医療界・製薬業界にパイプ 全世代型社会保障など課題山積
菅首相は同日、組閣を行い、厚生労働大臣に田村憲久氏の起用を決めた。田村氏は厚労相経験者として医療、年金、介護などの問題に精通しており、菅首相とも近い存在。医療関係団体や製薬業界ともパイプがある。新型コロナウイルス対策に注力するほか、安倍政権からの路線継承として全世代型社会保障改革の実現に取り組むことになる。高齢患者の窓口負担見直しなど、利害関係者間の調整が求められる案件だけに、田村厚労相の手腕に期待する声も多い。