富士フイルム和光純薬・新型コロナ検出キットが公的保険の対象に
公開日時 2020/05/01 18:00
富士フイルム和光純薬は5月1日、新型コロナウイルス感染症用遺伝子検出キット「SARS-CoV-2 RT-qPCR Detection kit」が公的保険の適用対象になったと発表した。厚労省と国立感染症研究所が同日、感染研の病原体検出マニュアルに基づく方法と、メーカーが提案する遺伝子検査方法を比較した結果、同キットについては、陽性と陰性の一致率がともに100%となったという結果を公表していた。
同製品は、少なくとも90分間の検査時間の短縮が可能になる迅速検査キット。PCR法の工程のうち、▽RNAをDNAに転換する逆転写反応と、▽ターゲットとなるDNAの増幅をリアルタイムでモニタリングするリアルタイムPCR―の各段階に注目し、RNAのDNAへの転換と、DNAの増幅に使う酵素を同じにする試薬の開発によって、反応時間の短縮を実現した。この反応試薬に加え、感染研が公示しているプライマーとプローブをセットした検出キットとして、15日から発売されている。
同社は、検査数の増加に対応するため、増産体制の強化を進めている。7月には、供給量を現在の3倍にあたる約5万検体/月に引き上げる予定だが、公的保険の適用対象となったことを受け、増産のさらなる前倒しも検討している。