地域医療連携推進法人「ふくしま浜通り・メディカル・アソシエーション 」設立 全国で14法人目 医薬品の共同購入検討も
公開日時 2019/10/23 03:51
地域医療連携推進法人として全国14法人目となる「ふくしま浜通り・メディカル・アソシエーション」(福島県)が10月1日付で設立した。医療法人社団茶畑会の相馬中央病院や、介護老人保健施設、公益財団法人ときわ会の常磐病院、いわき泌尿器科、竹林貞吉記念クリニック 訪問看護ステーションなどが参画する。東日本大震災の影響が残る福島県浜通り地区(相双・いわき 医療圏)の地域住民に対し、透析医療を支える人材確保を念頭に、透析 技術の標準化による質の向上を目指す連携モデルを構築する。医療連携推進方針では、医薬品や医療機器の共同購入の調整や、その他の物資の共同購入についても検討する方針を示している。滋賀県でも新たな推進法人を設立する動きもあり、法人数は今後拡大する見通し。
◎透析医療体制の充実目指す
「ふくしま浜通り・メディカル・アソシエーション」は、福島県内の地域医療連携推進法人としては2法人目。血液透析の診療の標準化を目指し、相双・いわき各医療圏の透析医療の質の向上を図ることを運営方針に掲げた。これにより第7次福島県医療計画における相双医療圏の目標の一つである透析医療体制の充実に寄与したい考え。
病院間の連携では、透析医療の強化として、①透析手技や材料の標準化、 ② 透析患者症例の共有、③透析患者ケアの技術共有、④生活習慣病患者への治療やケアの共有化-により透析技術の標準化による質の向上を目指す。透析医療従事者不足の支援および人材育成の強化では、①人材交流を通じた医療従事者に対する多様なキャリアパスの提供、②人材採用についての情報等の連携、③共同での人材採用の検討、④医療・介護従事者の資質向上に関する共同研修-を通じ、医療従事者の定着及び人材採用と育成の強化につなげる方針だ。
このほか、末期腎不全で腎移植を希望するなど、高度な医療提供を必要とする患者について、参加法人間での情報共有体制を構築し患者紹介等を行うことで、重症患者の福島県内完結型医療提供体制を構築する。
◎医薬品・医療機器の共同購入も検討「価格交渉力を高め、より安価での物品調達を」
医薬品・医療機器の共同購入の調整、その他の物資の共同購入についても検討するとした。具体的には、各参加法人の医薬品・医療機器購入状況の調査・分析を行う。透析医療については、技術の標準化により、診療材料の共同交渉を行うことで価格交渉力を高め、より安価での物品調達につなげるとした。
地域住民への情報提供、啓発活動を実施する。参加法人同士の連携状況などをホームページ、機関紙など様々な情報媒体を活用し、適時適切に地域住民、周辺の医療機関等へ積極的に情報提供をする。これを通じ、透析医療については、腎疾患分野の疾病予防の啓発活動を推進する。
◎滋賀県の「湖南メディカル・コンソーシアム」が新たな推進法人として設立へ
地域医療連携推進法人をめぐっては、滋賀県で「湖南メディカル・コンソーシアム」(滋賀県大津市、草津市、栗東市、守山市、野洲市を構想区域)の検討も進んでいる。認定されれば、滋賀県で2法人目、全国で15法人目となる。