医療・健康分野の広告宣伝事業を手掛ける嵯峨野(本社・東京都新宿区、木村寿伸社長)は10月1日から「特定臨床研究サポートサービス」を開始した。製造販売後の医薬品や医療機器の特定臨床研究に関連する業務をワンストップで提供するというもの。試験デザインの立案から症例データの収集、解析、論文化までをトータルにサポートする。
医師や薬剤師など医療従事者向けの医薬品や医療機器の情報提供をめぐっては、厚労省の販売情報提供活動ガイドラインが4月に施行されたほか、全国の病院、診療所、保険薬局を対象に不適切事例の報告を同省が受付ける「販売情報提供活動監視事業」もこの10月から始動した。加えて、情報提供の内容も、エビデンスが求められるようになり、厳正な査読論文としてパブリッシュされたものや承認申請に用いられた試験成績に限られるようになっている。
◎試験デザイン立案から論文化までワンストップでサポート
同社の「特定臨床研究サポートサービス」は、製造販売後の医薬品や医療機器について、新たな有効性や安全性に関する知見を収集・検証し、査読論文への投稿までを総合的にサポートするというもの。サービス提供の業務範囲としては、①試験デザインの企画・立案、②プロトコルの作成、③医療機関・責任医師候補の選定、④倫理審査委員会サポート、⑤症例データ収集、⑥モニタリング、⑦データマネジメント、⑧統計解析、⑨論文作成・投稿-のすべての業務をサポートする。なお、試験参加候補施設についてはSMOと契約している約2000施設を対象に事前調査を行い、提案できる。さらに、施設の医師の指導下でCRCが電子カルテより正確な情報を適正な方法で入手できることもサポートサービスの特徴にあげている。
同社としては、これによりレトロスペクティブ観察研究や疫学調査(データベース研究)、アンケート調査(インターネット・対面)などを「低コストで短期間のうちに実施できる」としている。