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EFPIA・テリエ会長 患者アウトカム向上で社会に貢献 患者含む全ステークホルダーでコラボを

公開日時 2019/09/25 03:52
欧州製薬団体連合会(EFPIA)本部のジャン-クリストフ・テリエ会長(ユーシービーCEO)は9月24日、都内で会見に臨み、製薬企業がアカデミアなどとのコラボレーションを通じ、患者アウトカムの向上、さらには社会に貢献できるとの認識を示した。 テリエ会長は、欧州での官民パートナーシップ「IMI(innovative medicines initiative)」の2型糖尿病重症化抑制のプログラムで、患者の社会復帰やQOL向上といったアウトカムの向上に寄与したことを紹介。最終的には医療費抑制にもつながったという。その上で日本の医療財源に触れながら、「全てが社会にとってプラスになるよう仕向けないといけない」と述べ、薬価引下げ圧力を牽制した。

テリエ会長は、IMIを通じ、2型糖尿病患者の状態に応じたアプローチ法を開発した事例を紹介した。このプログラムには、8か国から28団体が参加し、EFPIAに加盟する5社も参加した。2型糖尿病患者を腎不全リスク群、肥満患者群、加齢に伴う患者群――など5つのサブグループに分けて、それぞれのニーズに沿う最善の治療計画を提案するためのツールを開発した。その結果、患者の状態にあった適切な治療を支援でき、患者QOLが向上し、医療費の削減にもつながったという。

テリエ会長は、「(患者ごとに異なる)より良いアウトカムのために、治療を適応させるとよりポジティブな結果が出る。患者の治療に対する関与も深まる。最終的に社会的なコストが下がり、より積極的に患者が社会に貢献できる」と述べ、患者にとって最も問題となっている事柄の解決に焦点を当てたフレームワークを、アカデミアや医療関係者、行政、製薬企業、患者を含むすべてのステークホルダーがコレボレーション(協働)して構築する必要性を訴えた。

これまでの製薬企業だけ、または製薬企業と行政だけといった「サイロ型」ではソリューションは見いだせないとし、「サイロから抜け出したコラボレーションモデルが必要。互いに対話し、仕事し、患者にとって将来ベストな状況が何かを検討しなければならない」と語った。

■EFPIAジャパン・ベック会長 「患者にとっての価値に基づいて評価されるべき」

EFPIAジャパンのオーレ・ムルスコウ・ベック会長(ノボ ノルディスクファーマ社長)は会見で、「製品は発売の順番ではなく、患者にとっての価値に基づいて評価されるべき」と述べ、新薬創出等加算の要件見直しを改めて訴えた。2018年度薬価制度改革で、新薬創出等加算の取得には、ファーストインクラスの製品の上市から“3年以内、3番手”などの要件がついた。

ベック会長は、ファーストインクラス薬の登場から3年以上たった後に、安全性を高めた新薬で腎疾患や肝障害のある患者にも投与可能になれば、「医療上のアンメットニーズに応えるもの」だと指摘した。新薬によって入院の回避や、投与回数の削減・受診回数の減少につながれば、「医療費負担の軽減にもなる」とし、薬剤費ばかりにフォーカスされがちな医療費の適正化にも貢献できるとの認識を示した。
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