薬食審 8月2日に第二部会 中外のテセントリク、小細胞肺がんの適応追加を審議
公開日時 2019/07/22 03:50
厚生労働省は、8月2日に新薬の承認の可否などを審議する薬食審・医薬品第二部会を開催する。新薬として、中外製薬の抗PD-L1抗体・テセントリクに、新たに小細胞肺がんを適応に追加することについて審議する予定。承認されれば、初の小細胞肺がんの適応を持つ免疫チェックポイント阻害薬となる。
【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
▽テセントリク点滴静注1200 mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「小細胞肺がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
現在の効能・効果は、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんで、18年4月から発売している。小細胞肺がんは、増殖が速く転移しやすいのが特徴。早期発見は困難で、手術だけでは再発しやすい一方、抗がん剤や放射線治療に対する反応が良いとされる。
【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。
▽ロンサーフ配合錠T15、同T20(トリフルリジン/チピラシル塩酸塩、大鵬薬品):「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を効能・効果に追加する新効能医薬品。
現在の効能・効果は、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんで、2014年5月に発売されている。
▽アレジオンLX点眼液0.1 %(エピナスチン塩酸塩、参天製薬):「アレルギー性結膜炎」に対し、新用量・新剤形を追加する医薬品。
2013年から販売しているアレジオン点眼液0.05%の高用量製剤。濃度を2倍にすることで、投与回数は1日4回から2回となる。主成分のエピナスチンは、ヒスタミンのH1受容体への拮抗作用を主作用とし、さらに肥満細胞からの化学伝達物質の遊離・産生抑制作用を持つ。
▽ダラザレックス点滴静注100 mg、同400 mg(ダラツムマブ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ):現在の効能・効果の「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を「多発性骨髄腫」に改め、用法・用量にベルケイドとの併用を追加する新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
▽ベルケイド注射用3 mg(ボルテゾミブ、ヤンセンファーマ):現在の効能・効果である「多発性骨髄腫」の用法・用量にダラザレックスとの併用を追加する新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
ダラザレックスは、CD38を標的とするモノクローナル抗体。多発性骨髄腫細胞の表面に過剰発現するシグナル伝達分子のCD38に結合することによって機能する。また、CD38陽性の免疫抑制性細胞の除去による免疫調節作用も明らかになっており、相乗効果によって優れた抗腫瘍効果を示すと考えられている。
▽マヴィレット配合錠(グレカプレビル水和物/ピブレンタスビル、アッヴィ合同会社):効能・効果の「C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」に、小児の用法・用量を追加する新用量医薬品。優先審査。
承認されれば、12歳以上の小児に適応をもつ国内初の直接作用型抗ウイルス剤(DAA)となる。2017年9月に、肝硬変を有さない、DAA未治療のジェノタイプ1型および2型の患者に対する国内初の8週間投与の治療薬として承認を取得。同年11月から販売されている。